【51Base】です.
【ペットにおすすめオオトカゲ・モニター】
~飼いやすい?飼育しやすいトカゲは?~
昨今は爬虫類ブームが到来しているのかと思わせるほど,展示即売会は大盛況ですね.
そんな中,ネットやSNSではモニター・オオトカゲの飼育を開始された方をよく見かけるようになりました.
ですが,皆さんが気にされていることは
・大きくなる?
・慣れるの?
・餌代?
・電気代は?
そこで今回は
【おすすめのモニター・オオトカゲ】
と題して,初めて飼育する方,飼育を検討している方の参考になるようにまとめていきます.
■おすすめの爬虫類イベント
目次
1.オオトカゲとは?モニターと同じ?
■オオトカゲ(モニター)とは?
オオトカゲとは爬虫綱有鱗目トカゲ亜目オオトカゲ科オオトカゲ属に分類される爬虫類の総称です。
大型のトカゲのことで、天敵や獲物を木の上から監視する姿からモニター(監視者)と名付けられました。
■オオトカゲ(モニター)の大きさ・寿命
種類によっていろいろありますが、小型のものは30㎝~80㎝ほどで、大きなものになると2m近くにまでなるものもあります。
寿命は種類によって違いますが、一般的に約10年から20年程度とされています。
例えば、サバンナモニターは約10年、ナイルモニターは15年、コガネオオトカゲは15年ほど、ドワーフモニターは15~20年、コバルトツリーモニターは10年以上、ミズオオトカゲは平均して15年で、最長で25年生きることができます。
■オオトカゲ(モニター)のエサは?
オオトカゲのエサは幼体の頃はコオロギやデュピアなどの昆虫類を与えて、成長すると鶏肉やウズラ、大きな個体にはマウスを与えていきます。
幼体の頃は毎日与えますが、成長すると週に2,3回に減らし、肥満にならないように注意することが大切です。
2.おすすめのオオトカゲ・モニターの種類
今回は主に5種のモニターに絞りました.
あくまで
初めての飼育にも適した長所を持っている生体
をピックアップしています.
またモニターは基本的に全種で肉食性の生き物ですので,一部に果実などを食べる生体もいますが,野菜などは食べません.
■サバンナモニター
まずはサバンナモニターからです.
比較的本種はモニターの中でもポピュラーで,展示即売会だけでなく爬虫類専門ショップであれば必ずと言っていいほど目にすると思います.
全長:1m前後
最大全長:1.5m
数字で見るとかなり大型なイメージですが,その半分ほどは尻尾であり,本種は手足が短いためそこまで巨大な印象はないと思います.
■サバンナモニターの飼育について
・本種の魅力
1)オオトカゲの中では小型
2)人馴れしやすい性格
3)安価
4)飼育者が多く情報共有しやすい
5)地表棲で爪がそこまで鋭くない
6)エサはベビーの時はコオロギ中心
本種はオオトカゲの中でも小型で,人馴れしやすい生体が多いです.
もちろん個体差はありますが,時間をかけてやれば概ね慣れる生体がほとんどです.
また飼育者が多いということは飼育を始めたばかりの人には心強いかと思います.
SNSのTwitterやInstagramなどで情報共有や質問ができます.
安価について魅力かと言えば批判を浴びそうですが,やはり飼育へのハードルは下がりますし,その分飼育環境に投資できるのではないでしょうか?!
高さのあるケージは必要ないのでベビー時はこうした低いケージを使用しても良いです.
高さが30㎝の規格ケージは非常に重宝します.
■ナイルモニター(オルナータ産)
おすすめ度:★★☆☆☆
ナイルモニターついても展示即売会,爬虫類専門店でよく目にする機会があると思います.
サバンナモニターとはまた違ったフォルムで模様も美しく魅力的な種です.
ですが残念なことに本種は非常に警戒心が強く,「荒く・臆病」です.
本種については恐らく
多くの飼育者が成体まで育てきれずに荒いまま手放したものが多い
…といった印象です.
一部なのかもしれませんが,べた慣れのナイルモニターがいることは確かです.
全長:1.5m前後
最大全長:2.4m
本種は最大種ではかなり大型化はしますが,飼育下でここまで大型となることは考えにくく,1.5m前後と考えていいでしょう.
そのほとんどは尻尾なので,想像よりは小さく見えますが,ある程度慣れていないと大けがします.
幼体時は総じて臆病で荒い個体が多いですが,成長に従い徐々に落ち着いてきます.
またこのナイルモニターには「オルナータ」という亜種が存在します.
見た目では確かにオルナータ産の方が黄色味が強く美しい印象です.
そしてこのオルナータ産のナイルモニターは比較的大人しい傾向にあります.
この記事を書いている際も某ショップにてオルナータ産のナイルモニターが大量に入荷していましたが,全てハンドリングは可能だと記載されていました.
・本種の魅力
1)体色がきれい
2)スマートなフォルムでカッコいい
3)安価
4)飼育者が多く情報共有しやすい
本種も比較的安価な生体です.サバンナモニターと同額くらいでオルナータ産であっても他のモニターよりは安価に購入が可能です.
また観賞用として割り切るなら本種は非常に魅力的な種となります.
部屋で放し飼いや抱っこしたりなどを望まなければ,非常に魅力的だと思います.
また本種もサバンナモニターと同様に飼育者が非常に多く,産地別に飼育しているマニアも存在します.
ですので情報共有がしやすいといった点も魅力の一つといえるでしょうか.
■ナイルモニターの飼育について
モニターの飼育下における紫外線については諸説ありますが,アフリカ原産の種は非常に強い紫外線を浴びている為,可能な限りあった方が良いかもしれません.
セルフバラスト水銀灯ではソーラーラプターが紫外線量が多くオススメです.
■イエローヘッドモニター
おすすめ度:★★★★☆
イエローヘッドモニターも一以前は幻のモニターと呼ばれ入荷も少なく高級モニターの一匹でしたが,最近は入荷もコンスタントとなり,比較的ポピュラーな生体になりましたね.
私も以前2匹ほど飼育していましたが,いずれも非常に人馴れしやすく恐らく最もべた慣れなモニターでした.
約10年前でその当時10万円ほどでヤングとベビーをそれぞれ購入した記憶があります.
現在はベビーが3万~6万円ほどで取引されており比較的手が出しやすい価格になったのかと思います.
全長:1.2m前後
最大全長:1.5m
本種も1mは軽く超えてきますが,半樹上棲であるため尻尾がかなり長いです.
体型も比較的スリムで大きいというよりは長いといった方が表現としては正しいかもしれません.
それでも最終的には120㎝クラスのケージは必要となります.
規格ケージは限られたメーカーでしか販売されていませんね.
幼体時は立体的なレイアウトをし,成長とともに徐々にシンプルなレイアウトにしていくといいでしょう.
大型のモニターはメンテナンスも一苦労ですので,私は比較的シンプルなレイアウトにしています.
・本種の魅力
1)人馴れしやすい
2)体色が美しい
3)スリムな体型で大型化しない
本種はもともとの生息地も限定的で新種登録されたのもごく最近です.
つまり人間社会からかなり隔絶された環境で生きてきた種であり,そもそも人間に対してそこまでの警戒心がないのか,温和な性格なものが多い印象です.
もちろんベビーの時期は威嚇する生体はいます.
(上:イエローヘッドモニター 下:カミンギーモニター)
そこまで大型化せずに美しく,そしてそこそこ人慣れしやすいといったペットリザードにはもってこいの種だと思います.
■イエローヘッドモニターの飼育について
■ドワーフモニター
おすすめ度:★★★☆☆
ここではドワーフモニターと1つにまとめていますが,主にはピーコックモニター,チモールモニター,シミリスモニターに絞って話をしていきます.
本種はその他のモニターと比較してもかなり小型で,最大でも60㎝前後までしか成長しません.
ですが見た目はまさにモニターそのもの.
細くスタイリッシュなフォルムと精悍な顔つき,そして長い尻尾.まさに小さな恐竜ではないでしょうか.
全長:60㎝前後
最大全長:80㎝前後
おそらくほぼ1mまで成長する個体はいないと思っていいと思います.
もちろん個体差はありますが概ね60㎝程度で成長は止まると思っていただいて大丈夫かと思います.
・本種の魅力
1)小さい
2)飼育設備にお金がかからない
3)ほぼ確実に制圧できる
本種の魅力はなんといってもその小ささです.
サルバトールモニターやテグーなどでもそうですが,やはり大型化する個体は飼育スペースの問題と危険性があります.
私は個人的にモニター飼育で最も大切なことはその生体を制圧できるかだと思っています.
その点本種は最大でも60㎝程度の大きさなので,まず間違いなく制圧できます.
そして小さいということは飼育設備も大掛かりとなりませんので冬季の保温や飼育ケージなど設備投資も少なくて済む点も飼育者にとっては魅力的かとも思います.
ただ問題があるとすれば本種は小さいが故に非常に警戒心が強い個体が多いです.
ケージ前に立つとバタつく,エサは食べない,持つと糞尿垂れ流しなど,いわゆるべた慣れモニターには向いていないかもしれません.
最終的にも90㎝ケージで十分飼育は可能で多くの方は60㎝ケージで飼育されています.
■ドワーフモニターの飼育について
■爬虫類の臭い対策について
■コバルトツリーモニター
おすすめ度:★★★★☆
最後にコバルトツリーモニターです.
初めて爬虫類を飼育する方などはまだこの種を知らない方もいらっしゃるかもしれませんが本種もごく最近新種登録された種で「ブルーマジック」ともいわれているほど美しい青色をしています.
そして本種も同様に人間社会から隔絶された限られた環境でのみ繁栄してきた種で,人間に対しての警戒心が少ない印象です.
全長:1.5m前後
最大全長:1.8m
本種はツリーモニターの中では最も大型化する個体で,概ね1.5m前後にはなり,頭部も大きく迫力があります.
ツリーモニター系は非常に細いフォルムで妖艶で魅力的ですが,全長は半分以上は尻尾ですので,数字ほど大きく感じないと思います.
・本種の魅力
1)美しい体色
2)人馴れしやすい
3)レアな種である
本種はなんといってもその美しい体色にまず目が行くと思います.
「よくこんな青いトカゲが今まで見つからなかったな」
と思うと同時にこのようなトカゲがまだ地球上にはいるのかと興奮すること間違いなしです.
個体差はありますが,比較的警戒心も少なく人慣れしやすいものが多い印象です. (10年くらい前はWCでもかなり人慣れしたものが多い印象でしたが,最近の個体は割と神経質なものが多いです…)
ですがツリーモニター系は非常に爪が鋭く簡単に人間の皮膚など簡単に裂いてしまいますので暴れる生体には皮手袋は必須です.
また湿度管理が非常に肝で,乾燥した環境で飼育すると体色が白く霞んできますので注意が必要です.
最後に本種の最大のデメリットは
「高い」
現在も展示即売会などの特価でも10万円は軽く超えてきますので飼育者を選ぶ個体かもしれません.
■コバルトツリーモニターの飼育について
■エメラルドツリーモニターの飼育について
種類 | 大きさ | 寿命 | 値段 |
サバンナモニター | 1m前後 | 約10年 | 1万前後 |
ナイルモニター | 1.5m前後 | 約15年 | 5万前後 |
イエローヘッドモニター | 1.2m前後 | 約15年 |
ベビー3万~6万 |
ドワーフモニター | 60㎝前後 | 約15年 | 8万~20万 |
コバルトツリーモニター | 1.5m前後 | 約10年 | 10万以上 |
3.モニター(トカゲ)の維持・管理費
維持管理費について考えていきます.
もちろん生き物を飼うわけですので最高の環境を提供することが飼育者の義務です.
ですがやはり毎月のコストについては考えておいた方が良いでしょう.
■電気代
モニター1匹とパイソン2匹を飼育している部屋の電気代を抽出しました. (割と合計で3匹程度を飼育されている方が多い)
■爬虫類飼育は楽しい
ごく1例ですがそれでもこれだけは最低でもかかります.(冬季を想定して計算)
飼育生体が増えてくればエアコン管理がむしろ電気代的にはお得ですが,腹部を温めるパネルヒーターとトカゲであれば紫外線灯やバスキングランプは必ず必要です.
■爬虫類の電気代について
*加湿器は冬場は必須アイテムです.安い物の方が無慈悲に加湿してくれるので人間には不快でも生体にとっては快適に過ごすことも可能です.
■エサ代
飼育生体の大きさによってエサ代は変動します.
幼体時は毎日でもエサであるコオロギやデュビアを与える必要があります.
1匹20円程度である程度の大きさのコオロギやデュビアが購入できますので,まとめて購入してストックする必要もあります.
ある程度育ってきた生体にはウズラや手羽元,鶏のササミや魚・エビなど,かなりバリエーションに富んだエサを与えていきます.
ただし,エサの頻度は抑えます.
週2回~1回程度でも構わないので犬や猫などと比べると遥かにエサ代はかからないと思っていいと思います.
■爬虫類の餌代について
4.モニター(トカゲ)はなつくのか?
慣れるのか?懐くのか?
最もよく聞かれることかと思います.
「個体差があります」
といってしまえばそれまでですが
・時間を掛ければどんな荒い生体も慣れる
・幼体時は荒くても成長に従い大人しくなる
・成体は攻撃的でも幼体時ほどバタつかない
・それでもダメなら力ずくで制圧する (メンテナンス時のみ)
記事にてまとめていますので参考にされてください.
■モニターの慣らし方
もし選ぶことができるなら手に取って大人しいのかどうかをよく見てから飼育することをおすすめします.
5.モニター(トカゲ)のまとめ
いかがでしたでしょうか.
【おすすめモニター・オオトカゲ】
モニターはほかのトカゲにはない非常に魅力的な種だと思っています.
今回は比較的大型化せず,人馴れもしやすいなど初めて飼育する方にもお勧めできるような生体をあつめてみました.
誰でも最初は初心者です.
私も初めてモニターを飼育したときはうれしさと同時に不安で情報を探し回った記憶があります.
現在はSNSやインターネットなど情報共有はしやすい環境が整ってきており徐々に爬虫類飼育のハードルも下がってきたとも思っています.
是非この機会にモニター飼育を始めてみてはいかがでしょうか?
**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう