【51Base】です.
【高級トカゲ5選】
~高価なトカゲはどんなやつ?~
昨今は爬虫類人気が徐々に上昇しており,展示即売会などのイベントも以前に比べると非常に多くなり私たち飼育者にとってはうれしい悲鳴です.
皆さんは爬虫類の飼育を検討されるときにどういった項目を判断材料にされていますか?
・カッコよさ
・可愛らしさ
・飼いやすさ
・珍しさ
・価格
などででしょうか?
*珍しさ,となると生き物を物として扱うようなコレクション性の要素が強くなってしまう印象ですが,そういった方は,飼育環境が非常に整っている傾向が強く参考になる方が多いといった印象です.
爬虫類の市場価格というのは輸入量やCB化の有無,人気などによって日々変動しますが概ね
・現地からの輸出の制限
・CB化が進んでいない
・飼育が難しい
・人気がある
といった生体ほど高価かなといった印象です.
そこで今回はこのトカゲは高価だな…といった個人的な見解や印象で5種に絞ってご紹介できればと思います.
*あくまで個人的見解にてまとめていることと,価格については私が知り得る範囲で記載していますので,それよりも高価かもしれませんし,安価かもしれませんのでご了承ください.また,爬虫類の価格は日々変動していますので2019.7現在のものとお考え下さい.
【内容】
・高価なトカゲ5選
■アブロニア
■島産サルバトールモニター
■ヨロイトカゲ
■マツカサトカゲ
■レースモニター
・商業ルートにはないトカゲ
■フィジーイグアナ
■ペレンティモニター
■ムカシトカゲ
・まとめ
目次
・高価なトカゲ5選
■アブロニア
価格 :★★★☆☆
飼育難易度:★★★★★
希少性 :★★★★☆
まずはメキシコからの希少種,アブロニアです.その魅力はやはり見た目の美しさで、まるでおとぎ話にででくるドラゴンのようです。
和名:アオキノボリアリゲータートカゲ
学名:Abronia graminea
以前は「死に種」として有名な本種でしたが,最近では繁殖例や長期飼育の報告も増え,少しずつ価格も下がってきた印象ですが,それでも
・高価
・飼育が難しい
・希少
といった3拍子揃ったトカゲかと思います.
以前は30万ほどしていた本種も最近では15万円前後にて購入することが可能となってきていますが,それでも高価なトカゲであることに変わりはないかと思います.
■島産サルバトールモニター
*写真はサルファモニター
価格 :★★★★☆
飼育難易度:★★★☆☆
希少性 :★★★☆☆
サルバトールモニターは東南アジアからタイや中国・インドの一部に生息する大型のトカゲの仲間です.
本種はスマトラ産やジャワ産,タイ産などが比較的多く流通しますが,中には小さな島だけに生息するものもおり,独特な体色や小型であったりなど多種多様なものが存在します.
私自身も全ての産地のサルバトールモニターに精通しているわけではありませんが,ここ最近は様々な産地のものが時折流通します.
・スンバワ産
・イリアンジャヤ産
・マルモラータス産
・ネグロス産 など
スンバワ産のモニターは非常に美しいものが多く,少し前までは本邦でもちらほら見かけましたが,最近はめっきり減ったかなといった印象です.
島物のサルバトールモニターの特徴としては比較的小型化する傾向があるかと思います.
例えば現在は独立種とされていますが「カミンギーモニター」などはサルバトールモニターに比較して小型です(あくまでオオトカゲですので1.5mくらいにはなりますが)
価格もスンバワ産は少し安価な印象ですが,マルモラータス・イリアンジャヤ・ネグロスはいずれも20万円以上はするものが多いです.
特に体色が美しい個体はより価格が高騰する傾向にあります.
サルバトールモニターはその大きさも相まって日本でのCB化も報告が少ないので今後その価格は上がっていくことが予想されます.
個人的にはコントラストが非常に美しくカミンギーとサルファを足した様な体色のスンバワ産が好みですがなかなかお目にかかれません.
■ヨロイトカゲ
*写真はジョーンズヨロイトカゲ
価格:★★★★☆
飼育難易度:★☆☆☆☆
希少性:★★★☆☆(**種による)
ヨロイトカゲもここ数年で価格が高騰した種だと思います.
特に数年前まで非常に安価で大量に出回っていた
・トロピクスヨロイトカゲ
・ジョーンズヨロイトカゲ
などは10倍近くまで価格が上がりました.
いずれも原産国からの輸出規制によるもので現在は全く入荷がないとも聞きます.
本種は3000円~5000円程度のPr.をよく見かけていましたが,やはり安価な種はCB化が進まないというところと,卵胎生で一度に産まれてくる子供も少ないことも相まってか現在は3-4万円程度で取引されています.
そしてこのヨロイトカゲの仲間で特に高価なものとしては
・オオヨロイトカゲ
・アルマジロトカゲ
などが挙げられます.
■ヨロイトカゲの飼育について
オオヨロイトカゲは絶滅の危機に瀕していることが知られており,アルマジロトカゲも恐らく今後もその生体数が減少していくことが懸念されます.
オオヨロイトカゲ、10年後には絶滅も、密猟で激減 https://t.co/cvF0j8Qdzg
— 長州クリプター (@choshucrypter) October 1, 2018
こうした絶滅危惧種を飼育することの是非は問いませんが,飼育されている方の多くは積極的に繁殖に力を入れられている印象です.
価格についてもアルマジロトカゲで50万~80万,オオヨロイトカゲは70万~150万程度で販売されているのを見たことがあります.
いずれにしてもなかなかお目にかかることがない生体かと思いますので,見かけた際はしっかり目に焼き付けましょう.
■マツカサトカゲ
参照:Wikipedia
価格 :★★★★☆
飼育難易度:★★☆☆☆
希少性 :★★★☆☆
オーストラリアの密輸摘発=「マツカサトカゲ」
といったイメージが非常に強いのは私だけでしょうか…
関連記事:日本人がオーストラリアで逮捕!マツカサトカゲ密輸の疑い
オーストラリアは固有種が非常に多く,生き物の輸出は禁止されていますので,禁止される前に輸出された個体が海外で増やされ,そのごく少数が市場に出回る程度です.
マツカサトカゲはアオジタトカゲの仲間でその独特なフォルムと非常に扱いやすく,慣れやすい性格からも熱狂的なファンが多くいる印象です.
最近は外来種である猫による食害や,密猟が後を絶たずその生体数の減少が懸念されています.
特にレッドトップやレッドフィールドなど呼称される赤色の面積が広い個体は非常に高価に取引されています.
個人的に飼育経験がないのでその素晴らしさを細部にわたってお伝えすることはできませんが,SNSでは非常にコアなファンが多くいますのでぜひチェックしてみてください.
価格についても個体差が大きい傾向ですが,概ね80万~120万円程度のものを時折見かけ,5-60万程度で取引されるものもいる様です.
卵胎生で一度に産まれえるベビーも1-2匹と少ないこともあり,今後は3ケタ万円が相場になるのではという話もよく聞きますのでトカゲ飼育における最高峰の一種かもしれません.
■レースモニター
価格:★★★★★
飼育難易度:★★★★☆
希少性:★★★☆☆
まさかレースモニターが市場に出回る日が来るとは夢にも思っていませんでした.
オーストラリアに生息するモニターで最高峰の一種かと思っていますし,オーストラリアに訪れた際に野生個体を見ることはできませんでしたが,現地の動物園で180cmクラスの大物を見たことがあり,その美しさと大きさに圧倒された記憶があります.
非常に流通量が少なく初めて?入荷されたドイツCBのベビーをショップで見たときは震えた事を今でも覚えています.
現在もその価格は下落することを知らず,非常に高価であるにも関わらず,即売してしまうところを見るとファンの多さが伺われます.
個人的にもモニターは大好きで,ペレンティ・レース・サルファ・スンバワ・カミンギーは特に大好きです.
飼育難易度については正直よくわからないのですが,オーストラリア産の爬虫類は比較的過酷な環境に生息しているため,そこまで困難ではないのかもしれません.
■レースモニターの値段(金額)
価格については数年前に80万程度で取引されていた記憶がありましたが,現在は120~180万程度でごく稀に流通するようです.
まさに最高峰です.
・商業ルートにはないトカゲ
次に法規制で商取引されることはないトカゲですが,もしも取引されるとすればとんでもなく高価なのではないかと思われる種です.
ペレンティは不明ですが,これからも商業取引がされることはない生体達ですので,あくまで個人的な妄想だと思ってください.
■フィジーイグアナ
フィジーイグアナはフィジー諸島に生息し,CITESⅠでありワシントン条約で商業取引は全面的に禁止されています.
絶滅危惧種で世界的に保護されている種であるため,今後も個人が飼育することはないイグアナです.
「世界一美しいイグアナ」
と称され,その美しさはまさに垂涎ものです.
本種は新種記載されてすぐにCITESⅠに指定された経緯もあり,その美しさから密猟による生体数の減少も危惧されていました.
現在日本ではizooにて共同保護目的で繁殖に成功しています.
ですので実際にご覧になりたい方は,足を運ばれることをおすすめ致します.
私はオーストラリアで本種を見たことがありますが,非常に美しく目を奪われたことを強く記憶しています.
■ペレンティモニター
参照:Wikipedia
飼育が可能??なモニターの中では最高峰ではないでしょうか?
商業ルートにはないと括っていますが,実際にはごく少数が取引されてはいるようですが,あまりにも情報が少なく正直わからないので,ここで挙げてみました.
某ショップで実物を見たことがありますが外車が買えるほどの価格だとか…
爬虫網有鱗目オオトカゲ科オニオオトカゲ亜属
生息地:西オーストラリア州・クイーンズアイランド州南西部・ノーザンテリトリー
参照:Wikipedia
大きさ:180~250cm
オーストラリア最大のオオトカゲで,乾燥した草原・岩場に生息しており,近くに砂漠地帯もあることから非常に過酷な環境下を生息域にしており,おそらく飼育下でも非常に丈夫な種ではないかと考えています.
現在,外来種であるアナウサギが増加傾向にあると同時にそれを捕食する本種も生息域・数を拡大しているとも言われています.
オーストラリアで野生の生体を見ることはできませんでしたが,動物園で見たときはその大きさと美しさに圧倒されました.
繁殖に成功している動物園などはあるようで,レースモニター同様にもしかすると少数が日本に入荷することも今後あるかもしれません.
■ムカシトカゲ
ニュージーランドに生息する非常に原始的な爬虫類で,トカゲと呼称されますが実際にはトカゲともヘビとも隔てられた存在と言われています.
爬虫網ムカシトカゲ目ムカシトカゲ科ムカシトカゲ属
現在は2種が確認されている
・ムカシトカゲ
・ギュンタームカシトカゲ
ムカシトカゲについてはその生態・生体が非常に貴重なもので,これまで多くの研究が進められてきたようですが,ここでは割愛させていただきます.
有名なところで言えば
・第3の目
・長寿
あたりでしょうか.
第3の目とは頭頂眼と呼ばれ視床上部の一部である上生体複合体に由来すると言われています.
実際には視力はないと言われ,UVBからビタミンD3の合成を行っているとも言われています.
そして長寿については現存するムカシトカゲでは120年以上生きているのではないかというものもいます.
生物の中でも長寿であることに違いはないです.
・まとめ
いかがでしたでしょうか.
今回挙げさせていただいたトカゲたちですが,1匹1匹がかけがえのない命を持った生き物たちです.
その生き物たちに金銭的価値を設けること自体が人間としてのエゴなのかもしれませんが,希少な生き物を飼育・繁殖する方々は本当に彼らの事が好きなごく限られた選ばれし方々なのかもしれません.
好きなものを突き詰めていくとお金というものはいくらあっても足りないですね.
**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう