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【ガイアナカイマントカゲ】半水棲トカゲの飼育方法とそのポイント

トカゲ 飼育・飼育環境
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【51Base】です.










【ガイアナカイマントカゲ】

飼育・飼育環境








特徴的な緑の体色と大きく赤みを帯びた頭.

その名前の通り,見た目はカイマン(ワニ)そっくりな半水棲のトカゲで,南米に生息する大型のトカゲです.

昨今の爬虫類ブームの中でも飼育している方は非常に少なく,また繁殖の情報なども個人的にほとんど聞いたことがないので,まだまだこれからが楽しみな種でもあります.

ただ,飼育に関しては半水棲であることと,貝類などを捕食すること,それに伴い非常に強靭な顎を持っていることなど,初めての飼育には不向きな種だとも考えています.




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今回はそんなガイアナカイマントカゲ(ギアナカイマントカゲ)についてまとめていきます.







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1.ガイアナカイマントカゲとは?

 ■分類



爬虫網有鱗目テユー科Dracaena属

学名:Dracaena guianensis

英名:Northern Caiman Lizard
   Guyana Caiman Lizard

和名:ギアナカイマントカゲ

   ガイアナカイマントカゲ



同属にはパラグアイカイマントカゲがおり,本種と合わせて2種が確認されています.

ガイアナカイマントカゲは市場でも時折見ることはありますが,パラグアイカイマントカゲは見たことがないです.

ガイアナカイマントカゲの様な色鮮やかさはありませんが,テグーをワニっぽくした姿で無茶苦茶カッコいいです.

一度お目にかかりたいものです.






 ■生息域



南米大陸北部(ブラジル,コロンビア,エクアドル,ペルー,仏領ギニア)など,主にアマゾン川流域に生息.

生息域近隣のガイアナ,スリナムにも生息すると言われています.

熱帯雨林下の湿地や川,湖沼など,暖かく湿潤なところを好む半水棲で川辺の流木や木の上などでバスキングをしている姿が良く見かけられます.

半水棲でかつ半樹上棲の性質もあると考えています.

泳ぐのに便利な平たく長い尻尾など,水中生活にも適した体つきが特徴です.

 

 

 ■大きさ・価格



平均全長:100cm前後

 

最大全長:120cm・4kg




頑強な頭部とワニのような背面の大型の鱗,そして平べったい尻尾が特徴のガイアナカイマントカゲは,トカゲの中でもモニターやテグーと同様,大型の爬虫類です.

幼体でも,その全長は20~30cmほどあり,モニターなどと比較して頭部が大きく,体型がズッシリしているので,数字以上に大きく感じるかもしれません.

このあたりはテグーと同じ感覚かと思います.





 ■テグーの飼育・飼育環境

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一般的に「カイマントカゲ」と言うと本種を指し,緑色の体から頭部へと続く鮮やかなオレンジ色のグラデーションがとても美しいトカゲです.

この色合いは特にオスのほうが鮮やかで,赤に近い色になる個体もあります.

カイマンという名前は中南米に棲むワニの仲間「カイマン」から来ており,その体の大きさからも水中を泳ぐ姿はワニと見間違えても不思議ではありません.

これは,獰猛なワニに見た目を似せることで外敵から身を守るためだとも考えられています.

参照:Wikipedia

 

ガイアナカイマントカゲは,最近までペットとして流通していませんでした.それ故に飼育方法も確立されておらず,トカゲ好きの間でも憧れかつ難易度の高い品種として知られていました.

現在,ガイアナカイマントカゲの価格は変動はありますが15~20万程.

半水棲のトカゲの中では大型で高価な個体です.

参照:Wikipedia



最も高価な生体は本種かシナワニトカゲかと思われ,比較的良く流通する半水棲のトカゲとしてはクロコダイルスキンクとアカメカブトトカゲあたりでしょうか.





 ■クロコダイルスキンクの飼育

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 ■絶滅危惧種?CITESについて



ガイアナカイマントカゲは,その美しい色合いを革製品にするため乱獲された過去があります.

加えて棲息域の減少が起こり,現在では絶滅危惧種としてCITESの附属書Ⅱにその名が登録されています.

CITESⅡ類に登録された動植物は輸出入が規制され,許可書がなければ輸入・販売することができません.

都内の動物園でも,常設しているのは上野動物園と池袋のサンシャイン水族館の二カ所だけです.

ガイアナカイマントカゲは爬虫類の専門店でも見かけることは非常に少ない為,どうしても欲しい場合は入荷情報を常にチェックしておきましょう.






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2.飼育環境

 ■飼育ケージ



ガイアナカイマントカゲは大型の爬虫類で更には半水棲であるために飼育設備は非常に大掛かりとなります.

市販の爬虫類用ケースでは終生飼育が難しいので自作ケージか,オーダーケージが必要となります.

ただし,幼体時~亜成体までであれば市販のケージでも十分飼育は可能ですので,まずは成体までしっかりと育て上げていきましょう.




最終的には120cm以上のケージが必要ですが,既製品では120×45×45 or 60cmのものまでです.




理想は180×90×60㎝クラスのケージが欲しいところです.

また,先ほども記載しましたが,本種は半水棲ですので,飼育ケージ内には陸場・水場・バスキングスポットの三つを用意する必要があります.

そのためにも,ガイアナカイマントカゲを飼育するにあたって,大きなケージは用意した方がより良い環境を提供できるかと思われます.

 

 

 ■温度・湿度



ガイアナカイマントカゲの生息域は熱帯性気候で



最寒月平均気温が18℃以上

年平均降水量が乾燥限界以

最少雨月降水量が60mm以上




などの特徴を持ちます.

つまり,一年間を通して高温多湿で日照時間が少なく,昼夜の温度差が少なく,スコールなど雨がよく降る土地です.


スポット

温度・湿度
バスキングスポット 35℃~
ケージ内温度 28~30℃
ケージ内最低温度 27℃前後
夜間温度 25℃
湿度 70%以上


*水温もケージ内温度と同様に28℃前後まで温めておく必要がありますので,ケージ内の保温とバスキングスポット,水温の調整とが必要になります.

同じ大型のトカゲであるモニターやテグーを飼育するよりも大掛かりなものとなりがちです.

ただし,ガイアナカイマントカゲはほとんどの時間を水中で過ごすことが多い種ですので,ケージ内温度はそこまで気を配らなくても良いとも言われています.

ただし,バスキングスポットはジリジリと照り付ける太陽のように,しっかりと保温するようにしましょう.





 ■爬虫類の温度管理と保温器具

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 ■紫外線



ガイアナカイマントカゲをはじめとした爬虫類飼育において,紫外線は基本的には必須です.

爬虫類はカルシウム摂取に必要な栄養素であるビタミンD3を体内で生成できないため,エサもしくは紫外線からしか得ることが出来ないためです.

カルシウム不足は皮膚病を招く他,足腰が弱くなるクル病の原因にもなります.

また,紫外線に含まれるUVAは脱皮を促進する効果があるので,こちらの理由からも爬虫類には紫外線が必須だということがわかります.

ただし,昆虫をメインに食べる小型~中型のトカゲには必須のものであると考えていますが,げっ歯類や鳥類,卵などを捕食する大型のトカゲには必ずしも必須ではないとも考えられます.

必要性については下記の記事でもまとめていますので是非,参考にされてください.






 ■オオトカゲ・モニターの紫外線について

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 ■爬虫類の紫外線について

【爬虫類の各生体における紫外線について】~トカゲ・ヘビ・カメ・ヤモリ~
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一般的に,昼行性で乾燥地帯に生息する品種のほうが紫外線要求量が高いと言われています.

ガイアナカイマントカゲに必要な紫外線量は不明ですが,全体食を与えつつ,紫外線灯もしくはセルフバラスト水銀灯などで紫外線を照射するところから始められても良いかと思います.










 ■水容器について



ガイアナカイマントカゲは半水棲で,多くの時間を水中で過ごし,個体差はありますがほとんどの生体で水容器内で排泄をします.

水容器をにて管理する場合は毎日~2日に1回ペースでの交換,ケージ内での水張の場合はオーバーフローなどの管理が必要となります.

ガイアナカイマントカゲの飼育において,水質保持は飼い主を悩ます大きな要因になるでしょう.

動物園などの展示ではヤシガラ土などを用い,自然さながらの環境を構築していますが,家庭での再現はメンテナンスの面からもかなり苦慮しますので個人的にはシンプルな作りが良いかと考えています.

大型の水槽の上部に木製ケージを作製し,水槽は水張りとし,木製ケージを陸地としてケージ環境を構築される方もいらっしゃいます.






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3.エサ

 ■幼体時



野生下でのガイアナカイマントカゲの主食は,水中にいる巻貝です.

大きく発達した顎は巻貝の硬い殻を砕くのに適しており,実際動物園などではバリバリと音をたてながら貝を噛み砕く光景が見られます.

飼育下においても,やはり主食は巻貝がおすすめですし,ペットショップでは冷凍タニシの他,カタツムリなども売られています.



幼体時はまだ噛む力もあまり強くないので,ペンチなどで殻を軽く砕いてからあげるとよいでしょう.

簡単に食べられますし,なにより食後の掃除が楽になります.

栄養価の足りない幼体時は,ピンクマウスなども餌として与えられます.

ただし,野生下の主食とは異なりますので偏食の差が激しく,なかには全く食べない生体もいます.

幼体時は肥満の心配はないのでしっかり食べさせてあげましょう.





 ■成体時



大きくなった個体には,タニシの他に市販されているムール貝もおすすめです.

栄養満点で偏食する個体も少ないので,与えやすい餌の一つと言えるでしょう.

ただし,塩分が多く含まれていますので,よく洗ってから与えるようにしてください.

個体差はありますが,人工飼料をサイドメニューとして与えたり,デザートにフルーツを好む個体もいます.

この辺りは幼体時から育てていれば癖もわかりやすいですが,成体から飼育を開始する場合はその癖が分かりくく,何を好むのか探り当てるまで難渋することもあります.

個人的にはトカゲの中でも餌代はかかる方で,モニターなどよりは苦慮するかと思います…





 ■爬虫類のエサ代

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4.慣れる?ハンドリング



本種は個体差がありますが,割と粗暴な性格のものも少なくなく,また顎の力も強靭な事から,ハンドリングには不向きな傾向があります.

ただ,これは幼体時に多く見られ,飼い込まれた成体は割と大人しいものが多い印象です.

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ただこの辺りは私も何十匹も見てきたわけではないのではっきりとは言えませんが,幼体時は臆病で警戒心が強く,大きくなるにつれ環境・飼育者に慣れていくといった印象です.





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性格的に臆病なものは1₋2カ月では慣れないことがほとんどですので,半年~1年くらいかけて慣らしていくくらいの気持ちが重要かと個人的には思っています.





 ■オオトカゲ・モニターの慣らし方

【モニター・オオトカゲが荒い,慣れない?】慣らすためのポイントをまとめました.
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それでも,見た目にも美しいガイアナカイマントカゲは,間近で見られるだけで多くの喜びを与えてくれることでしょう.

ペットとして迎える際は,是非彼らの性格を尊重してそっと見守ってあげてください.







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5.まとめ



いかがでしたでしょうか.



【カイマントカゲの飼育・飼育環境】



希少故に飼育実績の少ないガイアナカイマントカゲは,飼育が難しい反面トカゲ好きには憧れの種です.

繁殖についても謎が多く,飼育ロジックも依然として乏しい状態です.

ですが,その特徴的な姿と美しい体色は見るものを魅了し,多くのファンがいることも確かです.

昨今の爬虫類ブームも相まって,カイマントカゲについても飼育情報がどんどん共有され,CB化も成功すれば人気種となる事は間違いないかと思っています.








 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


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