【51Base】です.
【テグーの飼育・飼育環境】
ブルーテグー,レッドテグー,
ゴールデンテグー,ブラック&ホワイトテグーについて
「テグー」です.
「デグー」ではないです.
恐らくsearchで「デグー」からこの記事へいらっしゃった方もいるかもしれませんね.
昨今は爬虫類カフェや展示即売会が数多く開催されるなど,爬虫類を身近に感じる人が増えてきたのではないでしょうか.
特に最近は10代や20代の飼育者が増えていると実感しています.
逆に年齢が上がるにつれて固定概念から嫌悪する人が多い印象もありますが,あくまで個人の嗜好ですからね.
そんな爬虫類人気に拍車をかけている者たちがいます.
レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)
・フトアゴヒゲトカゲ
・ボールパイソン
そして,テグーではないでしょうか.
今回は大型のトカゲであるテグーの飼育・飼育環境だけでなく,同じ大型のトカゲ,モニターとの違いや生息地での食性などについてまとめていきます.
目次
1.テグーとは(アルゼンチンテグー・ミナミテグーなど)
有鱗目テユウ科テグー属に含まれるトカゲの総称で、南アメリカの北部、中部の森林に4種が生息している。腹面の色は黄色ですが、背面には多様な変異が見られます。光沢のある鱗で被われ、黒と白の不規則な模様がある。腹部の長方形をした鱗がほかのトカゲには見られない特徴である。昼間は地上で行動し、昆虫や鳥、卵、トカゲ、カエルなどの小動物を食べます。繁殖形態は卵生。
引用元:http://www.knowledgelink.co.jp/cgi-bin/service/izukan/ha/display.cgi?h179
学名 | Tupinambis teguixin |
寿命 | 15〜20年 |
繁殖時期・産卵時期 | 一度に4〜32個程度の卵を産み、3ヶ月程度で孵化する |
体長(成体時) | 80〜140cm |
分類 | アルゼンチンレッドテグー ミナミテグー ゴールデンテグー クロコダイルテグーなど |
■テグーの分類
爬虫網有隣目テグートカゲ科テグー亜属
・アルゼンチンレッドテグー
分布:南米(ブラジル南部、アルゼンチン北西部、パラグアイ、ボリビア)
「赤いテグー」と言われ大きくなるにつれて赤くなるようです。雌雄問わずに赤くなり、アメリカでは比較的多く繁殖されているため日本にも入荷が続いています。
価格:4万~8万以上
・ミナミテグー
別名:サウザンブラックアンドホワイトテグー、アルゼンチンブラックアンドホワイトテグー、ブルーテグー
分布:南米(ブラジル、アルゼンチン北部、パラグアイ、ウルグアイ)
上記と比べて「赤くないテグー」のことを指します。
基本的に白地に黒色にバンド状の斑紋が入る色彩でその形や色の面積の大きさで「アルゼンチン」「ホワイトヘッド」「ブルー」の3タイプに分かれています。
価格:3万円~12万円以上
・ゴールデンテグー
外見は黄色味が強く、黒の模様が混じり金色のように輝く姿からゴールデンデグーと言われています。
分布:南アメリカ大陸の北部(パナマなど)
価格:2万円~
テグーに比べて求めやすい値段で販売されていますが、気性が荒く人なれしにくい個体と言われていますが、幼体の時から慣れさせれば扱いやすくなるでしょう。
・クロコダイルテグー
国内にはほとんど入荷しない幻のトカゲ「クロコダイルテグー」。大きさはテグーの中ではやや小型で80cm位になります。
分布:南米アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイなどに半水槽種で生息
価格:最希少種なので価格は100万を超えることもある
など
アジアやアフリカのオオトカゲ(以下,モニター)と混同されますが,分類的には上科に帰属し,かなり以前よりその独立した種として存在していたようです.
このあたりはユーラシア大陸・アフリカ大陸・オセアニア・南米大陸などで様々な種が確認されているので,大陸ごとに様々な進化を遂げているのでしょうね.
■テグーの生息
南米全域に広く分布
・ブラジル,アルゼンチン,パラグアイ,ウルグアイ,ボリビア大陸西部~中央.
どこもサッカーが強い国ばかりですね.
■テグーの大きさ
最大全長:1m~1.2m
オスの方が大きく成長します.
数字だけでみるとモニターの方が大型なイメージですが,本種はどっしりした体型をしており,頭部も大きく発達しているので,思った以上に迫力はあります.
モニターはオオトカゲ科に分類され,テグーはテユー上科に分類されます.
テユー科の分類でレッドテグーなどはTupinambinae→Salvatorです.
分類上の違いで,有隣目トカゲ亜目であることに違いはなく,下位分類にて
食性も基本的には肉食ですが,テグーについてはほとんど肉食に近い雑食といったイメージで良いかと思います.
また,尻尾は自切機能が備わっている点がモニターとの大きな違いでもあります.
2.テグーの飼育・飼育環境
■テグーの飼育ケージ
基本的には地表棲のモニターに順じて問題ありません.
ですが本種は想像よりずっと早く成体になりますので,大型ケージはすぐに必要となるかもしれないことは頭に入れておきましょう.
*大型ケージは既製品が少ない為,購入するならこちらの3商品しかない…
いずれは室内での放し飼い,もしくは自作ケージを検討する日がくるかと思います.
SNSでは割と放し飼いにしている人,多いですよね.
■爬虫類ケージの選び方
■テグーの生息地の温度・湿度
南米大陸は熱帯性気候の地域であり,年間通じて高温多湿です.
ですが,このグラフからもわかるように最高気温はそこまで高くないです.むしろ日本の方が最高気温は高い.
南米は南半球になるので,こちらの夏は冬にあたります.
冬の気温は最低でも15℃程度ですが,最高気温は年間23~25℃です.ですので,逆に暑すぎる事に注意をした方がいいのかもしれません.
■爬虫類の暑さ対策
変温動物である彼らは冬場の気温低下には飼育者も特に注意を払いますが,今年の様な35℃を容易に超えてしまうような夏場は暑さ対策が非常に重要となってきます.
■テグーにとっての紫外線
紫外線については昼行性のトカゲには必須ですので,必ず設置します.
ただし,モニターやテグーなど,全体食(獲物を丸呑み)する種に関しては必ずしも必要でない場合もあります.
■モニター・オオトカゲの紫外線について
UV灯は紫外線照射量がかなり少ないので少なくとも砂漠系,もしくはセルフバラスト水銀灯,メタルハラロイドランプ(通称:メタハラ)を用意します.
*ソーラーラプターのマーキュリーランプは紫外線量が頭一つ抜けているのでおススメです.
*メタハラは資金的余裕があればぜひ導入したい↓↓↓
■爬虫類の紫外線について
■テグーに必要な水容器
本種はよく脱皮不全を起こします.特に冬場はその傾向が顕著に現れます.
ですので全身が浸かれる水容器は必須と思ってください.
ですが,成体時に準備することが難しい場合は温浴にて脱皮不全にならないようにしてあげましょう.
体が太い分,モニターよりも大型の水容器が必要です.
それに絶対にではありませんが,水容器内にて排便もしますので臭い,メンテナンス的には水容器は非常に重要な役割があります.
■爬虫類の冬対策~湿度管理~
■爬虫類の臭い対策
3.テグーのエサ
基本的に本種は肉食ですが,面白いことに果実なども食べる,「より雑食に近い肉食」とイメージしていた方がいいと思います.
■幼体時
無脊椎動物を中心にコオロギやデュビア,ワームなどなんでも食べます.
時折マウスやひな鶉など与え,サプリメントを添付した鶏のササミもよく食べてくれます.
種は驚くほど成長が早く,海外では1日に1インチ大きくなるなどと言われています. (さすがに大げさな気もしますが)
幼体時はそこまで肥満の心配がないので,可能な範囲しっかりと給餌を行います.
■成体時
成体時も可能であればLサイズのデュビアを中心にマウスやひな鶉など与えますが,少し頻度を落としても良いです.
具体的には週1-2,アダルトマウスを与えた後は10~14日程度感覚を空けても大丈夫です.
また,食餌の30~60%は植物性(フルーツ),15~40%は無脊椎動物,及び20%程度は脊椎動物であるとされるといわれています.
ですが,飼育下で積極的にフルーツを食べる話はあまり聞いたことがありません.
恐らく彼らは完熟して地面に落下してきた果実を好んで食べているのではと考えられます.
その傍らで小さな昆虫などを食べていたのではないでしょうか?
大型ででっぷりとした体型で樹上傾向は強くありません.
ですので,普段私たちが食べているような果実よりもう少し傷んできたくらい??の方が彼らの好みなのでしょうか?
■爬虫類の餌代
4.テグーは人に慣れるのか?
もちろん個体差はありますが,総じて幼体時は警戒心が強い個体が多く,成体時にはおとなしく人なれした生体が多いです.
ですが,あくまで1mを超える大型のトカゲですので,万が一にも噛まれないように注意は必要です.
SNSでよく見かけるべた慣れテグーは非常に魅力的ですし,飼育者の愛情がよく伝わってきます.
■モニターの慣らし方について
5.テグーについてのまとめ
いかがでしたでしょうか.
【テグーの飼育・飼育環境】
大型ですがどこか可愛らしい表情をしているテグー.
女性にも人気のある本種ですが,その特徴と食性,モニターの違いについてまとめました.
成体時の給餌については何とも言えない点はありますが,日本でも飼育者が増えてくれば新たな発見があるでしょう.
ないことを祈りたいですが,万が一にも突然死などが頻発するようになれば,食性についてはよく考えた方がいいのかもしれません.
**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう