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【爬虫類の冬対策と温度管理・保温器具について】

飼育器具・用品
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【51Base】です.


 

【爬虫類の冬対策と温度管理・保温器具について】













11月に入り,朝晩と冷え込む季節がやってきました.



私たち人間にとっては非常に過ごしやすい季節で個人的には秋口は最高に好きなのですが,爬虫類の温度管理は冬支度を始める…というよりする時期です.



今回は爬虫類を飼育するうえで必ず直面する,温度管理と保温器具についてまとめていきます.





*冬眠・休眠する生体もいますが,あくまで年中加温するものと仮定して本記事をまとめています.

 


 【内容】



  1.爬虫類の保温について

   ■適切な温度とは?

   ■冬眠・休眠について



  2.おすすめの保温器具

   ■ランプタイプ

   ■パネルヒーター

   ■暖突

   ■エアコン



  3.保温器具と一緒にあった方が良いもの

   ■サーモスタット

   ■温湿度計

   ■サーモガン



  4.保温不足による弊害



  5.まとめ

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1.爬虫類の保温について

 ■適切な温度とは?



適切な温度は種によって様々ですが,大前提として爬虫類は変温動物ですので,外気温が低下すれば当然,身体の活動量や代謝は低下しますし,そもそも省エネな生き物ですので動けなくもなります.



だからといって外気温が上がりすぎることも危険です.



私たちのように体温を産出できない分,飼育下ではかなり神経質なくらいに温度管理はするべきだと個人的には考えています.



適切な温度は生体の生息地に準じたものをケージ内で再現することですが





 32-35℃の温かい場所

 □28℃程度の涼しい場所

 □夜間は25℃以下にしない





大雑把ですが,上記の大前提を頭に入れておき,あとは個々の生体で微調整していけば良いと思います.



個人的に温度管理が難しいと思う生体としては,高温な地域に生息しているものより,比較的低温な環境に生息しているものの環境を再現するときです.



例えばアカメカブトトカゲやドラゴンスネーク,アブロニアなどがそうでしょうか…







 ■アカメカブトトカゲの飼育について

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 ■冬眠・休眠について



以前の記事にも記載しましたが,少し違った解釈となります.







 ■爬虫類の電気代について

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...

 

いわゆる冬眠は体のエネルギー代謝量を極限まで低下させ(1-25%),気温低下や飢餓を乗り越えるものです.



休眠はエネルギー代謝は低下しますが,身体の機能や体温は低下しません





冬眠に非常に近い状態ではありますが,冬眠の様に仮死状態に至るのではなく一時的に活動を休止しているような状態です.



ボールパイソンやサバンナモニターなどのアフリカ大陸に生息する爬虫類は休眠することが良く知られています.







 ■サバンナモニターの飼育について

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2.おすすめの保温器具(ケージ内・ケージ外)

 ■ランプタイプ



一番安価かつ保温効果も高いランプタイプのもので,各メーカーから昼行用,夜間用,セラミックと様々なものが販売されています.

商品にはW数が記載されていますが、ケージの大きさに対してどれくらいのものが必要なのかは下記の表を参考にしてみてください。(こちらはあくまでも目安ですので、温度計などを確認して温度調節してください)

ケージのサイズ 目安W数
45cm 30w~50w
60cm 50w~75w
90cm以上 100w

夜間に使用するランプとして比較的ポピュラーなものとして赤外線灯やムーンライトタイプのものがあり,使用方法も昼行用のものと変わりはないので,そのまま夜間に点灯するだけで良いので使用としては楽です.




 

赤色のランプタイプのものを時折見かけるかと思いますが,爬虫類は赤色の識別がしにくいため,夜間に使用しても生体にとってはストレスとはならないと言われています.




ただし,飼育ケージと飼育者の寝室が同部屋の場合は,私たちが夜間眩しくストレスとなるのでセラミックタイプのものを使用しても良いです.




上記に挙げたランプタイプのものは





 □安価

 □使用が楽

 □局所的な保温効果が高い





などの利点がある一方で





 □W数が大きく電気代が割高・交換の頻度が高い

 □大きなケージでは全体の保温効果は低い

 □霧吹きで破損するリスク

 □火傷のリスク





といった問題点も挙げられます.



火傷のリスクについてはカバーを使用したり,ケージ外から照射する方法もありますので是非検討したいところです.




また,局所的には非常によく温まりますが,90cm以上のケージでは余程高さがないようなケージでない限り,全体的な保温には少し不向きかもしれません.



ですが,60cm程度までの飼育ケージや,高さが30cmほどの飼育ケージでは非常に重宝するかと思います.







 ■パネルヒーター



床面に敷くタイプのパネルヒーターも非常に重宝する保温器具で,ほとんど全ての飼育者の方で使用されているかと思います.



爬虫類は先の項でも書きましたが,変温動物で特に給餌後は体温をしっかり上げることで消化と代謝を促すので,腹部から温めることは非常に重要です.



多くのメーカーから販売されており,どれにするか迷うところですが,個人的にはピタリ適温プラスを多く使用してきたので,おすすめかと思います.




自動で温度の上がり過ぎを抑制する機能も付いていますが,ケージ外から使用するため,どちらかと言えばしっかりと加熱してほしいので,ガンガンに温まる本商品はおすすめしやすいかと思います.



また防水機能が付いているものとしてはみどり商会のスーパー1は非常に重宝します.



ケージ内にそのまま入れてても良いので使いやすく,糞や尿がついても大丈夫でかつ水場でも使用できますので.




ただ,いずれのパネルヒーターであったとしても保温のメインで使用するということは難しく,必ずケージ全体を保温する他の保温器具が必要になってきます.



パネルヒーター上がいくら暖かくてもケージ全体の温度が高くなければ意味がありません.



また,時折パネルヒーターによる生体の火傷も報告されており,私もケージ外からであったにも関わらずブラックテールクリボーの腹部が火傷を起こしてしまったことがあります.

 

決して事例が多いわけではないので何とも言えませんが,そういった事も起こりうることを頭の片隅に入れられるだけでも日々の生体に対する観察も変わってくるかと思います.







 ■暖突



こちらも現在多くの方が使用されているかと思いますが,恐らくコスパ的にも非常に優れた保温器具である事に相違ないかと思います.



以前は76wでしたが,昨年より57wに変更となり,よりお財布に優しい仕様になったのではないでしょうか.消費電力が少ないので電気代の節約にもなります。




熱量の約90%を下方へ照射することにより,ケージ全体を保温することが可能で,低いW数の割にかなりの保温効果は期待できます.



90㎝ケージでかつ高さ45㎝以下でしたら暖突Lサイズで冬期の保温は大丈夫かと思います.

(ガラスケージの場合は全面以外は発泡スチロールかスタイロフォームで覆った場合ですが)



ただし,一応内蔵サーモはあるようですが,ケージ全体を覆うような設置は通気性を著しく阻害し,かつ高温となりすぎるため,必ずケージの3/1~半分を覆う程度に留めましょう.



基本的にはサーモスタットを併用した方が良いと思っています.

(というより併用しなかったことがない…)




こちらの商品は温度調節の機能とタイマーの設定が可能で、昼と夜とで温度設定を変えることができるタイプです。

個人的には保温器具の中では最もスタイリッシュでもあるので非常に重宝し,今までもこれからも使用すると思いますが,通気性は著しく損なわれることと,かなり高温になるので湿度も一気に飛びますので,多湿系のパイソンなどの飼育には十分注意しましょう.







 ■爬虫類の湿度対策

【爬虫類の冬対策!】温度管理・おすすめの保温・加湿器具について
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 ■エアコン



個人的には最強の保温器具だと思っています.



エアコンの24時間管理は電気代が非常に高くつきそうですが,部屋の構造や広さ,断熱性によっては割高となる可能性もありますが,我が家では圧倒的なコストパフォーマンスを見せてくれています.







 ■爬虫類の電気代

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夏季についても27℃キープでフル稼働でしたが,下記の様にそこまで高額ではありませんでした.



これを高いとみるか安いとみるかですが…



ちなみに下図はエアコン以外のバスキングランプや暖突・パネルヒーターなどの電気代です.



モニターにパイソンにナミヘビにと10匹以上飼育していますが,まあそこまででもないかと…



冬期は冷え込む夜間に多くの保温器具がフル稼働しますが,我家は夜間電力が安いプランで契約していますので冬場もここから高騰することはないです.



ただ,私はヘビがメインと言えばメインなので,モニターや昼行性のトカゲがメインの場合はもっとかかるかと思います.



個人的にはモニターや大型のパイソンを複数匹飼育している場合はエアコンを導入した方が安いかもしれません.



暖突もLサイズは結構な価格がしますので120㎝以上のケージとなると2つは必要ですし,それが3つ以上となると…







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3.保温器具と一緒にあった方が良いもの

 ■サーモスタット



保温器具を使用する際にサーモスタットは必須だと考えていただいても良いかと思います.



特に保温効果の強い暖突を使用する場合は注意が必要です.

(内蔵サーモがありますが,それでも結構高温になります)

サーモスタットを置く際はセンサーの汚れにも注意をしましょう。汚れていると温度を検知できなくなることもあるので手入れをきちんとすることをおすすめします。

ただし,パネルヒーターなどには使用しなくても良いと思いますし,ランプタイプのものにも使用できない場合が多いのでその辺りはメーカーの使用方法をよく確認された方が良いです.



個人的にはタイマーサーモが使い勝手は良いので,昼行性のトカゲなどには使用しますが,ヘビなどについては安価なサーモスタットを使用する場合が多いです.




我が家は上記のサーモスタットを全てのパイソン・ナミヘビのケージに1つずつ使用しています.







 ■温・湿度計



言わずもが必須なアイテムかと思いますが…



多くの生体を飼育しているとどうしても安価な温度計に目がいってしまいますが,いくつも使用していると明らかに誤差が大きないわゆる”外れ商品”がありますので,ひどいものでは±5℃というったものもありました.



ずっと最低気温25℃と思っていたら実は20℃前後だったという事が実際に私もありましたので,結構怖いです…



個人的にはアナログのものよりはデジタルタイプが好みですが,高温域と低温域とに購入していると温湿度計でもかなりの金額になりますので,確実に温度を把握したい側には高精度の温湿度計を,そうでない方には比較的安価なものを用いても良いかもしれません.











 ■爬虫類飼育におすすめの温度計&湿度計

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 ■サーモガン



局所的な温度を計測することが可能なサーモガンも重宝するかと思います.





例えばバスキングスポットの温度を素早く計測したい場合などがそうです.



また,低温域のシェルター内の温度なども定期的に測定ができますのでおすすめです.



爬虫類メーカーから発売されているものもありますが,一般用のものでも大差ないかと思います.



最近愛用していたズーメッド社製のサーモガンが壊れたので一般用のものを使用していますが,使い勝手は非常に良いです.

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4.保温不足による弊害



弊害というよりも,基本的に外気温に依存しているため,外気温が低ければ当然,身体活動はできず動きは鈍くなり,それと同時に代謝も低下します.



ただ,爬虫類は寒さですぐに死ぬのではなく徐々に体調を崩し,ある日突然亡くなってしまうことも珍しくありません.







 ■爬虫類の突然死について

爬虫類の突然死について~トカゲやヤモリ、ヘビについて1人の飼育者として考える~
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死因については専門機関での検視や獣医師の診察が必要ですが,慢性的に不適切な温度管理を行っていた事例なども時折見受けますので,冬に入る前にもう一度,温度管理については見直しても良いかと思います.







 ■ボア・パイソンの肺炎について

ヘビが肺炎だったので治療中です.~パイソン・ボアの肺炎~
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休眠などでエサを全く与えない場合は良いのですが,低温で管理していても餌食いが落ちないものもいます.



代謝が低いと消化不全を起こすこともありますし,サルモネラ菌症を患ったものの治療は本当に長期化することもありますので,日々の温度管理は厳密に行ってください.







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5.まとめ



いかがでしたでしょうか.







【爬虫類の冬対策と温度管理・保温器具について】







冬場の温度管理に重要な保温器具について主に書きましたが,私が長年は爬虫類を飼育していて常に思うことは





「電気代を気にしていたらこの趣味は続かない」







初夏に生体を迎え,冬期の電気代にビックリしたなんてこともよく聞きますし,この時期から徐々に安価でも大きくなる生体の飼い込みヤング個体が良く流通するところを見ると,電気代の観点からも飼育が困難となった方も多いのかなと思ってしまいます.



ですが,電気代を気にしすぎて生体の体調を崩し,最悪の事態を招いてしまうことほど,生体にも飼育者にも不幸なことはないので,今のうちから心の準備と飼育用品の準備を整えておきましょう.









 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


   
   

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