【51Base】です.
【レオパ・多頭飼育】
爬虫類飼育者のアイドル的存在はレオパードゲッコー・ヒョウモントカゲモドキ(以下,レオパ)であることに相違はないかと思います.
昨今の爬虫類人気を牽引している人気種であるとともに,非常に育てやすく飼育設備も取らないことから女性や子供にも人気があるようです.
*レオパの飼育についてはこちら↓↓↓
さて,このレオパについて時々話題となる
■「多頭飼育」「多頭飼い」
についてですが,このサイトをご覧になられている方も多くは可能かどうかを調べてこられていることと思います.
結論的に言うと
条件を満たせば可能です.
ですが,全ての個体で可能だというわけではないので,多頭飼育を行われる方は非常に注意深く観察することが必要です.
本稿ではレオパの多頭飼育について現地での生態や私が行っている方法など自己考察も踏まえてまとめていきます.
1.レオパの生態
■分類
爬虫網有鱗目トカゲモドキ科Enblepharis属ヒョウモントカゲモドキ
■生息
アフガニスタン・パキスタン・インド北西部・イランの一部
岩場や草原,乾燥地帯に生息しています.
基本的には夜行性で群れることはありません.日中は岩の隙間や巣穴で過ごしています.
■大きさ
・全長:20-25㎝
・重さ:60-80g程度
・性成熟:生後1年程度
2.レオパの食性
肉食性
コオロギやゴキブリを中心とした節足動物からミミズ,小型の哺乳類まで比較的なんでも食べます.
*乾燥コオロギに餌付けば管理は格段に楽になります.
爬虫類を飼育するうえで容易に多頭飼育が出来る種は総じて草食性もしくは雑食性のトカゲです.
それは
・食料を十分に確保できる
・エサは豊富で奪い合うことが少ない
・エサが逃げない
肉食性のトカゲは少ない食料でも活動が可能ですが,安定して食料を得ることは困難です.
逆に草食性のトカゲは比較的エサが豊富にあることが多く,広範囲に繁栄をしている種が多く存在します.
(イグアナなど)
肉食性のトカゲはエサを見ると本能的に粗暴となる傾向が強く,他の生体が咥えているエサであっても見境なく食いつきます.
1匹ずつ素早く給餌するのであれば動く生体より,乾燥エサや人工飼料などが理想です.
可能であれば動かない冷凍コオロギや乾燥イエコ,レオパゲルなどに餌付かせると管理は楽かもしれません.
*現在国内で販売されている人工餌の主流はこちら↓↓↓
レオパゲルなど人工飼料の発売が昨今のレオパブームの火付け役となったことに相違ないでしょう.
*レオパの餌・人工飼料についてはこちら↓↓↓
3.多頭飼育の現状
我が家での飼育環境です.ラックスペース的に奥行のあるケージですが
オス✕1とメス✕2の3匹を飼育しています.
(メス同士の相性が悪かったため,現在はペアで飼育中)
*市販のケージでしたら60サイズがあれば十分です.
野生下ではオス1匹に対しメスが数匹で暮らすハーレムを形成することがわかっていますので,多頭飼育を行う場合は必ずオス1匹に対してメスを数匹にしてください.
*レオパの性別の見分け方についてはこちら↓↓↓
■シェルター
シェルターは必ず生態数以上設けるようにしてください.
我が家のレオパはシェルター2つと岩の下,奥のシェルターと岩の隙間の合計4つの隠れ家に日替わりで寝ているようです.
(温度や湿度など環境がいいところを選んでいる)
私はみなさんが使用されている陶器タイプのシェルターは使用していません.
非常に使い勝手も良くいい商品だと思いますが,陶器の独特な臭いとカビの発生が気になったので,現在はこちらのシェルターを使用しています.
*加湿効果も付属するならこれ↓↓↓
■給餌方法
ケージ内で同時に給餌するとエサの奪い合いをすることが多々あります.
我が家では別の容器へ移すか,膝の上などケージから出して与えています.
飼い初めの時期は環境の変化によるストレスが強い状態ですので,手から食べない個体も多いです.
ですので,手から食べるようになるまでは可能な限り単独飼育が良いと思います.
4.多頭飼育の魅力・注意点
多頭飼育は他の生体同士が重なって眠ったり,昼行性トカゲでしたら一緒にバスキングしたりなど見ていてとても和みます.
ですが,和んでいるのは人間だけで基本的に爬虫類は一部を除いて群れる生き物ではないです.
ですので単独飼育以上に生体の状態を細かくチェックする必要があります.
・けがはしていないか
・エサは食べているか
・怯えていないか
・大きさは同じ位か
・威嚇しあっていないか
5.レオパ多頭飼いのまとめ
いかがでしたでしょうか.
レオパの多頭飼いについてまとめました.
ポイントは
・ケージの広さ
・シェルターの数
・給餌方法
・細かなチェック
多頭飼育は1つの爬虫類飼育の形であるので否定するつもりも肯定するつもりもありません.
ですが,しっかりリスクを把握し飼育環境が用意できるのであれば多頭飼育も良い飼育方法となるのかもしれません.
*モルフなど狙った交配を作出する場合は単独飼育が良いです.
*数匹飼育する場合はこういったケージは非常にインテリア性も視認性も良くオススメです.
*ケージの温度管理には暖突が非常に使い勝手も良くオススメです.消費電力も抑えられていますので家計にも優しいのが尚良いです.
*暖突を使用する際は必ずサーモスタットにて温度管理してください.ケージ内の温度が上がりすぎてしまうリスクがあります.
**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう