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ヘビが肺炎だったので治療中です.~パイソン・ボアの肺炎~

ヘビ 飼育・飼育環境

 

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【ヘビが肺炎だったので治療中です】

~パイソン・ボアの肺炎~





昨今は爬虫類をはじめとするエキゾチックアニマルの人気が高まり,実際に飼育されている方も徐々に増えてきています.

爬虫類の展示即売会・イベントは毎回大盛況でイベントの規模も開催数も来場者数も年々増えているといった印象です.



■2019年爬虫類イベント一覧

2019年版【爬虫類イベント一覧】-展示即売会-
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そんな中でどうしても病気をしてしまう,体調を崩してしまう生体は少なからず出てきます.

最近はエキゾチックアニマルの診療も行っている動物病院も増えてきましたので診察に行かれる方も多くなってきたのではないでしょうか?

もしも自身の生体の様子がおかしい,どうしたらいいのだろうかなど疑問に思われることもあるかと思います.

そこで今回は私が飼育している(というより購入した)生体が肺炎である事が判明したのでその治療経過などをまとめ,肺炎になってしまった,生体の様子がおかしいといった飼育者の方々の不安や疑問点を少しでも解決できればと思います.


*あくまで一人の飼育者として,自身の生体に起きた出来事についてまとめた記事です.病気の診断や治療方針などは獣医師が判断しますので,もしご自身の生体の病気が疑われると思われた際は最寄りのエキゾチックアニマルを診療してくれる動物病院を受診しましょう.



 【内容】

  1.ヘビの肺炎とは? 
 

  2.肺炎に至る経緯

  3.現在の治療

  4.今後の対策

  5.まとめ

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1.ヘビの肺炎とは



人間においても死因のTOP3に入る恐ろしい病気ですが,もちろんヘビを始めとする爬虫類でも罹患してしまいます.

不適切な温度・湿度管理,不衛生な飼育環境など生体の免疫力が低下すると容易に発症してしまうリスクがあります.

また,マウスロットといったヘビ特有の感染性口内炎から細菌性肺炎への進行もあるため,ヘビの病気の中では比較的多い疾患だと言われています.


主な症状としては

・呼吸音が異常(ヒューヒューやブシューといった異常呼吸音)

・口が開いた状態で呼吸をしている(上を向いた状態が続く)

・エサを食べない

・動きが鈍い


などが挙げられます.

また,ヘビの肺は非常に原始的な構造をしており大きな袋の様な組織です.

ですので,肺炎などで水が溜ったりすると食道を圧迫して通過障害を呈したり食道炎を来すこともあるため,エサを食べなくなると獣医師より言われました.

人間でも体調が悪い時などは食欲がなくなりますが,ヘビに関しては食道の通過障害という器質的な原因もあっての拒食と捉えてもいいのかもしれませんね.

いずれにしても獣医師による適切な診断と治療が必要な病気ですので,徴候が認められば速やかにエキゾチックアニマルの診療が可能な近医への受診をおすすめします.


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2.肺炎に至る経緯



では今回,私の飼育している生体がなぜ肺炎になってしまったのか…

というよりそもそも購入後にどうも様子がおかしい…

そして直腸部が大きく膨隆してきており腸閉塞?便秘?を疑いエコー・触診など専門家の見解を聞きたかったので購入後すぐにエキゾチックアニマルの診療が可能な病院へ受診したのが今回の経緯です.



つまり購入する段階ですでに肺炎を呈している状態でした.

生体を購入する際には基本的に元気な生体を選ぶことが大前提なのですが,私の場合は欲しい生体がかなりマニアックなものが多く,なかなか選べないといったこともあってか,判断がかなり傲慢になっていました.

また,これまでに食べない生体への餌付けやアシスト・強制給餌などある程度の経験はあったのでそういった驕りもあったと思います.
(こういった変な自身が一番危ない…)

もちろん反省するべきことかと思いますが,このままではほぼ間違いなく命を落としていたと思いますので,生体にとっても私にとってもいい出会いであったと信じたいところです.

そして,迎えた生体には飼育者として治療する義務がありますので,週1回の抗生剤の注射と便秘の改善や餌付けなどできる限りの事はしています.


ただ,一番厄介だったのは肺炎でもマイコプラズマ肺炎の疑いがあると言われたことです.

人間への感染はないと説明を受けましたが,ヘビのマイコプラズマに関してはまだわかっていないことが多いそうで,その感染力や感染経路などはっきりとしないと言われました.

マイコプラズマは自己増殖が可能な最小微生物で生物学的には細菌です.そのため感染経路としては飛沫・接触感染です(人間の場合…)

恐らくヘビの場合も同様に考えても良いと思いますので


同ケージでの多頭飼育は避ける

他の生体とのケージも可能な限り離す,もしくは別室で隔離

感染した生体を触った手で違う生体を触らない

給餌に使用するピンセットを共有しない


などとにかく飛沫・接触感染に対しては過剰なくらい対策をとってもいいと思います.

こういった感染の恐ろしいところは微生物やウイルス・細菌は目に見えないので割と簡単に考えてしまう人が多いことです.

小さなヘビなどでは咳き込んだりしても人間ほど遠くまで飛んだりはないでしょうが,それでも私たちを媒体にした接触感染は容易に考えられます.


個人的にはマイコプラズマの集団感染にて飼育していたヘビが全滅したとの話も恐らくは接触感染が主な感染経路ではないかとは愚考しています


生体毎に手を洗うということは疎かにしてしまいがちですので…
(全てのメンテナンス後の手洗いは絶対原則ですが…)

マイコプラズマは熱に弱く界面活性剤でも失活しますので,洗えるケージなどは熱湯でしっかりと洗う,ピンセットなども使用後は煮沸するなど対策をしてください.


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3.現在の治療



肺炎に対する治療は基本的には抗生剤の注射もしくは内服です.

飲み薬もあるそうで,その場合はチューブにて流し込む必要があるのでなかなか飼育者には困難な場合が多いので注射を希望される方が多いと先生からは伺いました.

こちらが生体に行っている抗生剤です.

 


このデナガードと呼ばれる抗生剤はマイコプラズマに限局して効果があるとのことで,通常の抗生剤と合わせて投与してもらっています.


家での飼育環境としては通常よりも少し温度は高めにしています.

高温部は31℃とし,シェルターを一つ設置.ホットスポットとなる部分は33~35℃まで上げています.

そして体を冷やすことができる場所にもシェルターを設け,合計2つのシェルターを設置し,生体がより快適な温度を選べるようにしています.

ほとんどの時間を温かい側のシェルターで過ごしており,時々シェルターから出てはいるようです.

これは生体によっては温度上げすぎない方が良いこともありますが,本種はオーストラリアの乾燥した草原や熱帯雨林に生息しており,高温部は他のパイソンよりも高くすることが推奨されているので,温かい側のシェルター内はかなり温かくはなっています.

抗生剤の効果はおよそ1週間みたいなので週1回程度の通院を1カ月ほど続け,現在肺炎に関してはほぼ完治しています.

この生体は肺炎以外にも処置の際に尻尾の鱗を損傷してしまったことと,拒食が続いている,便が出ないなど問題は山積しています.

また,強制給餌ですが肺炎など病気をしている場合,こと本種については肺炎により食道の通過障害も呈しているため,体の免疫を上げるため消化器機能はあまり働かないことも考えられますので,ある程度肺炎が落ちつくまでは無理に与える必要はないのではないかと考えています.


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4.今後の対策



今後については概ね肺炎の治療は終了しそうです.

初めて受診した際は胸水もかなり貯留しており,肺が下方へ押し下げられている様な状態でした.これは急性期の段階ではなく割と長期間悪い状態が続いていたのではないかと言われました.

かなり食道も圧迫されている状態で,恐らくそれが原因で拒食に陥っていたと考えています.

また,肺炎は人間でもそうですが,炎症性疾患でいわゆる全身性の栄養障害も伴うsystemic effectにより体の消費エネルギーは高くなります.

ですので爬虫類の様な変温動物はエネルギー代謝が哺乳類ほどではないので,その間に無理に給餌を行えば消化出来ず吐き戻し,もしくは不消化便として便秘傾向となってしまうのかもしれません.


この生体については肺炎の沈静化とともに動きも活発になり,直腸に溜まっていた大量の尿が排出されました.


便については自身での排出は困難であったため,4週目の受診日に浣腸にて出してもらいました.

今後はまず給餌で,肺炎の改善とともに自発的に食事が可能となるかどうかをしばらくは様子を見ていきます.

幸いにも体重は減ってきていますが,大量の糞・尿が出た後ですので,急激に低下しているとは考えにくいかと思います.


そして背骨は少し浮き出ていますが,肋骨が浮き出ているほどではないのでまだ猶予はあると思われます.

今後,1-2週ほどは様々な方法にて置き餌を試していきます.

それでも食べない場合はアシストか強制給餌です.

*この記事を書き終える際には他の障害が発覚したため,アシスト給餌を行いました.



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爬虫類の突然死について~トカゲやヘビについて1人の飼育者として考える~
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5.まとめ



いかがでしたでしょうか.

今まで様々な生体を飼育,関わってきましたが,ここまで状態の悪い生体の立ち上げはなかなかない経験ですので,少しでも爬虫類飼育者と情報共有ができればと思いまとめました.

エキゾチックアニマルを診てくれる動物病院は増えては来ましたがまだまだ少ないといった印象です.

何かあった際には相談できるかかりつけの動物病院があった方が,長い爬虫類ライフを過ごすうえでは必須のことだと思います.

最近はペット保険も少しずつ増えてきていますし,爬虫類も対象とした保険もあります.

動物病院は基本的に全額自己負担ですので思っている以上にお金がかかります.

大切な生体の為にも一考の余地はあるかもしれませんね.





**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


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