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【ハルマヘラパイソン】-アメジストパイソンの飼育方法と注意点は?-

ヘビ 飼育・飼育環境
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【51Base】です.







【ハルマヘラパイソンの飼育・飼育環境】





アメジストパイソンの中でも許可なしで飼育可能,更には体色が美しく危険な妖艶さを醸し出すマニア垂涎のハルマヘラパイソン.

どうしても凶悪な顔では,モルカンパイソンやグリーンパイソン,エメラルドツリーボアに知名度は劣りますが,彼らに全く引けを取らないほど凶悪な顔をしています(いい意味で)

ここ数年はめっきり入荷が減った印象で,価格も高価となり飼育されている方も少ない印象です.
(というより比較的マニアックなヘビなのでそもそも母集団が少ない気も)

10年くらい前は5-60000円で取引されており,私も69800円で本種を購入したことを記憶しています.

今回はそんなレアなアメジストコンプレックの一種であるハルマヘラパイソンについてまとめていきます.

 

 


 【内容】

  1.ハルマヘラパイソンとは  

   ■分類

   ■生息地

   ■大きさ・価格

  2.飼育環境

   ■飼育ケージ

   ■温度・湿度

   ■登り木

  3.エサ

   ■幼体時

   ■成体時

  4.ハンドリング・慣れる?

  5.まとめ

 

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1.ハルマヘラパイソンとは?

 ■分類



爬虫網有隣目ニシキヘビ科Simalia属

英名:Halmahera python

学名:Simalia tracyae

参照:Wikipedia


以前まではMoreliaも亜種として考えられていましたが


 □モルカンパイソン【S.clastorepis】

 □タニンバーパイソン【S.nauta】

 □アメジストパイソン(スクラブなど)【S.amethistina】

 □ベーレンパイソン【S.boeleni】


と同属の一種にハルマヘラパイソンも分類されました(2014年)


 ■モルカンパイソンの飼育

【モルカンパイソン】その生態と飼育方法について *マルクパイソン含む
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 ■ベーレンパイソンの飼育

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【至高のパイソン】【ベーレンパイソン】 特定動物を除けば爬虫類飼育の1つのゴールではないかと思っています. ただやはり高価な生体ですので,特に購入直後は慎重に立ち上げていく必要があります.




 ■生息地



ハルマヘラ島(北部に生息していると言われている)

モルッカ諸島の一つで,そのうち最も大きな島でほとんどを熱帯雨林に覆われ,人口は少ない.

インドネシアのモルッカ諸島にあり,いわゆるアメジストコンプレックスはオーストラリア北部及びニューギニア島周辺の地域に混在していると言われています.

モルッカ諸島及びマルク諸島に生息しているモルカンパイソン・マルクパイソンやアメジストパイソンとの交雑もあるとされています.

ただし,現在日本で流通するアメジストコンプレックスの中でも流通は稀です.
(一時期は同属のベーレンパイソンも良く見た)



 ■大きさ・価格



平均全長:2.5~3.5m

最大全長:4m


非常に大きくなる樹上棲のパイソンですので,他の大型パイソンよりも覚悟が必要です.

 

2.5mほどの生体まででしたら見たことがあり,ハンドリングもしたことがありますが,手汗が滝の様にでました.

それほど大きく,そして頭部もビックリするくらい大きいので噛まれることなど想像もしたくなかったです.


例えば他種で同等の大きさまで成長するものとすれば(特定動物除く)


 □ベーレンパイソン

 □オリーブパイソン

 □パプアンパイソン


などがいますが,半樹上棲もしくは地表棲に近い者たちですので,意外と扱いは楽だったりもします.

ですが樹上棲のパイソンはグリーンパイソン・エメラルドツリーボアをはじめ神経質で攻撃的,そして牙が長い特徴がありますので,本種の飼育もより注意が必要かと思います.

ただし,成長した本種のカッコよさは他を寄せ付けないほどですので,ぜひフルアダルトまで育て上げていただきたいところです.


 ■グリーンパイソンの飼育

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 ■オリーブパイソンの飼育

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価格はかなり高騰しているようで,以前は59800円でも売られていましたが現在は

  価格
ベビー 不明
ヤング 120000~228000
アダルト 228000~

ベビーはここ最近全く見ないので不明ですが,恐らく10万円以上はしそうですね.

ヤングからアダルトに関しては正直,販売しているショップによって割と差があるようにも思いますが,高騰していることは間違いなさそうです.




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2.飼育環境

 ■飼育ケージ



本種は樹上棲のパイソンで基本的には高さのあるケージが理想的ですが,完全樹上棲というわけではないので,絶対に高さのあるケージを用意する必要はないと考えています.

例えば市販のケージであれば高さ45cm程度でも登り木等あれば良いと思います.

逆に登り木を全く入れずに飼育されている方や海外のブリーダーもおり,長期飼育・繁殖もできているためグリーンパイソンやエメラルドツリーボアの様にはしなくてもいいのかもしれません.

カーペットパイソンなどの半樹上棲のパイソンは登り木を入れると荒くなるといった話をよく聞きますが,実際には個体の性格に左右されることがほとんどですので,私自身は可能な限り登り木は入れるようにしています.


「理由はカッコいいから」


本種も登り木を入れるとほぼ登り木の上にいますが,成長とともに地表棲の傾向も強くなる印象で,シェルター内に引き籠っていることもしばしば…



 ■登り木を入れると荒くなるのか?

【ヘビ・パイソンは登り木を入れると荒くなるのか?】
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飼育下でも最終的には2.5~3m程にはなりますので,最低でも120cmケージは必要で,可能であれば150~180cmクラスのケージは欲しいところです.

ただ,例えばベビーやヤング個体から飼育する場合は60cmケージ,もしくは余裕を持って90cmケージからスタートしても良いと思います.90cm水槽であれば2mくらいまでは狭いながらもなんとか飼育は可能です.

市販のケージで最大サイズは120cmケージです.かなり大きく重たいので購入するのも覚悟が必要.


ベビー・ヤング個体であれば60cm・90cmケージからでもよいかと思います.



 

幼体~ヤング程度まででしたら,高さが60cmあるケージであれば幅45cmのものでも良いかと思います.


小さなベビーくらいでしたらレプタイルボックスからスタートしても良いでしょう.


最終的に自作ケージを作製,もしくはオーダーケージを注文する可能性はあることを頭に入れて飼育に望まれてください.


 ■爬虫類の自作ケージについて

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 ■温度・湿度



ハルマヘラ島は赤道直下の熱帯性気候に属する島で,島の面積のほとんどが熱帯雨林に覆われています.

熱帯雨林の特徴として,日中は気温も湿度も高く夜間も気温が下がりにくい傾向にあります.

特に東南アジアの熱帯雨林に生息する樹上棲のパイソンは乾燥に非常に弱く,マウスロットや肺炎など呼吸器疾患を患うものが多い印象です.

特に低温には弱く,入荷直後のベビーなどの立ち上げの際は少し温・湿度を高めに設定するなどした方が状態が上がりやすかったりもします.

  温度
ホットスポット 35-40℃
ケージ内温度 30₋32℃
ケージ内最低温度 28℃
夜間温度 27-28℃

高温で生体を飼育する場合は必ずケージ内で涼しい場所を設けるようにしてください.

大きめの水容器でも良いです.特に夏場は部屋の温度も上昇し,サーモスタットなしでは簡単にオーバーヒートしてしまうこと…



 ■爬虫類の暑さ対策

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変温動物である彼らに対して最も多くの対策がとられていることは寒さ対策だと思います. 温度管理に関しては,夏も冬も基本的にはエアコン管理が最も安心かつ安全であろうかと思います. ですので今回はエアコンがどうしても準備できない時の暑さ対策について考えていきたいと思います.



ただ,本種の様に樹上棲の傾向が強いものは高さのあるケージを用意し上部にホットスポットを設けてやれば,床材付近は結構温度も下がる事が多いので,温度勾配はつけやすいかと思います.

ただし,注意したいことは高さのあるケージでは冬場の温・湿度管理がかなり大変となりますので,注意してください.



 ■爬虫類の湿度対策

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大型のパイソンを飼育する場合は案外エアコン管理の方が電気代は安かったりもしますので検討の余地はあるかと思います.


 ■爬虫類の電気代

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温度管理は厳密に行う必要がありますので,可能な限りサーモスタットを使用してください.


湿度に関しても同様に高湿度をキープしたいので,70-80%は維持するようにします.

50%台は本種にとって乾燥した環境だと考えてもよいかと思いますが,同属のアメジストパイソンなどは乾燥にも強いので,このあたりの関係性はよくわかりません.

が,生息環境に近い環境を再現することも重要だと考えていますので,可能な限り高湿度を維持してもよいかと思っています.



 ■登り木



入れましょう.



なぜ入れるのか?荒くなるのではないか?



私自身はヘビが大好きで,特に樹上でトグロを巻いているパイソンなどは垂涎ものだと思っています.

*写真はインランドカーペットパイソン


ですので可能な限り登り木は入れるようにしています.

荒くなると言われますが経験上,荒くなるというより取り出すのにもたついたリ,顔を木から垂らしている前に手を持って来たりでもしない限りはそこまで荒くなる印象はありません.

うちのはどちらかというと掃除機の音と振動で起るものが多いです.

 

必須というわけではありませんが,ベビーの間など神経質な時期はあった方がストレスも軽減できるのではとは考えています.

グリーンパイソンもですが,樹上のヘビはカッコいいです.





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3.エサ

 ■幼体時



基本的にはサイズに合ったげっ歯類で大丈夫なのですが,ベビーなどはマウスに全く反応しないものもいるようです.

この種のベビーは経験がないのでなんとも言えませんが,グリーンパイソンなどと同様にまずはヒナウズラなどから餌付けて徐々にヒナウズラの臭いをマウスにつける,チェーンなどでマウスに餌付かせていければ良いかと思います.

が,一番良いのはマウスに餌付いている生体を購入されることでしょうか.

個人的

x.com

にはマウスからラットへ移行するのも割と大変だと思うのでマウスに餌付かせてそこから大きくなったらラットに餌付かせてと…

ケージ内の温度がしっかりキープできていれば,幼体時は3日に1回くらいのペースでも良いです.

慎重に状態を上げるなら5日ペースでも良いかもしれませんが,便の形状が良ければ3-4日に1回のペースで与えるようにはしています.



 ■爬虫類の餌代

【爬虫類飼育に必要な餌代について】~モニター,パイソン,ナミヘビ,レオパなどについて~
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 ■成体時



引き続きサイズに応じたマウス・ラットで構いません.

アダルトサイズになるとラットを中心に与えていきますが,サイズ的にヒヨコや親ウズラも呑めるようになっています.

時折与える分には問題ないと思います.が,ごく稀にヒヨコなどを食べさせた後に全くげっ歯類に興味を示さなくなるようなグルメ?な生体もいますので,少し注意した方がよいのかもしれません.

個人的にはマウス・ラットがヘビにとっては完全栄養食品だと思いますので,余程余ったりしない限りはげっ歯類で終生しいくしても良いのではとは考えています.
(といいつつも我が家で余ったヒヨコなどはオリーブに与えていたりはしますが…)


このころになると1週間もしくは10日に1回程度の給餌になりますので,世話はかなり楽になるかとは思います(いい意味で).

成体のヘビは非常にエコな生き物ですので,飼育のメンテナンスなど楽な面もありますが,だからと言って誰にでもおすすめできる種ではありません.





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4.ハンドリング・慣れる?



樹上棲のパイソンと比較するとハンドリングはしやすいとは思いますが,個人的にはあまりしたくないと思っています.

ただ,モルカンなどに比べるとまだ大人しいような印象です.
(そもそも国内の飼育生体は非常に少ないので比較にならない?)

大型のパイソンは大きくなるにつれて大人しくなるというか,動きがノッソリしてきますので割と扱いやすいかと思います.

ベビーはどの種でも神経質なものは多いので,その性格のまま成体まで成長することは少ないです.

また,ある程度環境に慣れてくると,飼育者がケージの前にいることに気が付けば,首を伸ばして


「エサか?」


と近づいてくることもありますので,可愛い一面もあるとは思っています.

神経質なものでは尿酸を巻き散らすものもいると聞きますが,私は見たことがないので何とも言えません.



 ■爬虫類のメンテナンスについて

【爬虫類のメンテナンス・清掃にかかる時間は?】
...



個人的には本種は観賞用と割り切った方が,飼育者も生体も幸せかもしれませんね…


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5.まとめ



いかがでしたでしょうか.



【ハルマヘラパイソンの飼育・飼育環境】



非常に魅力的な樹上棲の大型パイソンですが,非常に流通は少なくいわゆるレア種です.

一般的でなくどちらかと言えば非常にマニアックなヘビだとは思いますが,その魅力は爬虫類好きな方から見れば垂涎ものではないでしょうか?

今後は国内でのCB個体が出回る…といった夢も個人的には見ています.

この記事を書いている8月はCITES会議もあり,トッケイヤモリがCITESⅡ類,パンケーキリクガメがCITESⅠ類など比較的メジャーな種が登録されて今後ますます種の保存については厳しく問われることかと思います.

ハルマヘラパイソンもモルッカ諸島の一部の島のみに生息しており,その生息域は限られています.

飼育する際はそういった希少な種であることも十分考慮し,最後まで愛情を持って飼育しましょう.






 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう

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