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【アマゾンツリーボアの飼い方】飼育のポイントは湿度管理

ヘビ 飼育・飼育環境
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【51Base】です.









【アマゾンツリーボアの飼育・飼育環境】








樹上棲のヘビは非常に美しく,そして魅惑的なオーラを醸し出し,それでいて攻撃的.

爬虫類飼育者の中でも特に根強くそしてコアなファンが多くいる樹上棲ボア・パイソンの中でも,ひと際小さく,そしてカラーバリエーションも豊富な本種はここ数年でよく目にする機会が増えてきた印象です.

完全樹上棲のボア・パイソンとして有名なグリーンパイソンやエメラルドツリーボアの影に隠れてしまいがちですが,程よい大きさと凶悪な顔もあってか,その人気は急上昇中です.

今回はそんな少しマニアな樹上棲のボア【アマゾンツリーボア】についてまとめていきます.

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1.アマゾンツリーボアとは

 ■分類



参照:Wikipedia



爬虫網有鱗目ボア科ツリーボア属C.hortulanus

学名:Corallus hortulanus

英名:Amazon tree boa


亜種は現在は認められていないようですが,カラーバリエーションが豊富で,地域による個体差が大きいこともあるので,もしかすると亜種として分類される日もくるのかもしれませんが,正直なところわかりません.

ツリーボア属には現在9種の亜種が存在し,最も有名なところで言えばエメラルドツリーボアでしょうか.

ツリーボア属はエメラルドツリーボア以外は細く長いといった特徴がありますが,エメラルドツリーボアについては太さもあり迫力は満点です.

逆に本種は「細く,毒々しい」といった印象でしょうか.

非常に危険な印象を受けるかと思われます.

 ■生息地



ブラジル・エクアドル・コロンビア・ペルーなどの南アメリカの中央東部から南部全域にかけ広く分布しています.

参照:Wikipedia


主に熱帯雨林に生息していますが,ペルーなど高地に生息しているものもおり,総じて1m以上の樹上に生息するものがほとんどです.




 ■大きさ・価格



平均全長:1.5m前後

最大全長:2.2m


数字だけ見ると非常に大きな印象を受けるかもしれませんが、とても細いので実際には大きくてもとぐろを巻いていれば両掌に乗るくらいのイメージです.

ツリーボア属の仲間はほとんどが細く,樹上棲でカモフラージュ柄の者が多いのですが,エメラルドツリーボアは太く大きく,そして攻撃的なものが多いです.

もちろん本種も例外なく攻撃的なものが多く触れ合うというよりは完全に観賞用と割り切っても良いかもしれません.

価格についてはいわゆる「ガーデンフェイズ」と呼ばれる茶褐色もしくはパターンレスのようなものは比較的安価で,「カラーフェイズ」と呼ばれる黄色や赤,オレンジなど色鮮やかなものは高価で取引されています.(呼称は特に決まっておらずレッドフェイズやダークフェイズなどと呼ばれることもあります)

生体 価格
ガーデンフェイズ ¥19800~¥30000
カラーフェイズ ¥30000~¥70000
国内CB ¥30000~



最近では国内で繁殖を成功されているブリーダーの方もいらっしゃり,*「ぶりくら」「とんぶり」「SBS」などブリーダーイベントに多く出店もされています.

*:ブリーダーイベントで年に3回,神戸・東京・香川にて行われている.

ぶりくら | 爬虫類・両生類の持続可能な国内繁殖と流通確立へ
ぶりくらは 国産両性類・爬虫類の繁殖・流通確立を目指し、展示即売会の開催と啓蒙活動を行っています。

 

南アメリカのボアなどはどちらかと言えばCB個体よりも現地採集のWC個体が未だに多い印象です.

個人的には今後は種の保存が世界的なトピックとなることは確実ですので,可能な限り飼育する生き物はCB個体のみでの流通が理想的ではないかと愚考しています.

■SNSでのアマゾンツリーボア

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2.アマゾンツリーボアの飼育環境

 ■飼育ケージ



樹上棲のヘビにあたりますので,エメラルドツリーボアやグリーンパイソンと同様の飼育環境で問題はありませんが,この2種よりは比較的小さめのケージでも大丈夫です.



 ■エメラルドツリーボアの飼育について

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樹上棲の飼育ケージはグラステラリウムのケージが一般的に認知されていると思います.

観音開きですのでメンテナンスなどしやすいのですが,樹上棲のヘビの場合は高確率で”飛んできます”ので,個人的には引き違い戸のガラスケージが好みではあります.


ただし,側面がフレームレスなグラステラリウムの方が見た目的には非常にスタイリッシュで非常に見栄えは良いと思っています.
(一番はオールガラスケージが…)

ケージの大きさも,ベビーでは3045のケージを,最終的に4560のケージが大きさ的には良いかと思います.

しっかりと登り木などを設置出来れば無理に縦長でなくとも構いませんが,個人的には縦長のケージに拘りたいです.

多頭飼育はあまり推奨されませんが,される場合であれば9060くらいの高さも幅も確保できる大きさは必要です.





 ■爬虫類ケージの選び方

【飼育者がおすすめする爬虫類の飼育ケージ】~各生体での選び方~
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 ■温・湿度



本種は熱帯性気候の南アメリカに多く生息し,川沿いから高地に至るまで様々な環境下に適応しています.

基本的には高温多湿な飼育環境を構築すれば良いのですが,ポイントとしては通気性の確保だと考えています.

本種は野生下では地上50cmから高いところでは20mもの高所にいることもあるようですので,ジメジメとした環境よりは少しカラッとした暑さを好む傾向があります.

もちろんこれは獲物である鳥などを捕食する為の行動でもあるので,高湿度がだめというわけではないとは考えています.

例えばエメラルドツリーボアなんかは非常に湿度管理にはシビアになりますが,本種の場合はエメツリよりは神経質に…といったほどではありません.
(だからといって湿度管理を疎かにしていいというわけではありません)


 ■爬虫類の湿度管理について

【爬虫類の冬対策!】温度管理・おすすめの保温・加湿器具について
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ただし,ベビーについては脱皮不全のリスクが非常に高いので高湿度は絶対にキープしてください.

スポット 温・湿度
ホットスポット 30~32℃
ケージ内温度 28-29℃
ケージ内最低温度 26-27℃
夜間温度 26℃
湿度 70~80%

樹上棲のボア・パイソンの場合は高さのあるケージを使用することが多く,ケージ内の高い部分は高温,床に近い部分が低温と温度勾配は作りやすいかと思います.

必ず生体が暑い場所と涼しい場所と,快適と思える場所を選べるようにしてあげてください.



 ■爬虫類の温度管理と保温器具について

【爬虫類の冬対策と温度管理・保温器具について】
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 ■水容器・シェルター



水容器内に浸かることは少ないのですが,本種の飼育においてはある程度湿度を維持することが重要ですので,例えば床材にヤシガラ土など湿度を維持できるものを使用するのでなければ,大きめの水容器を入れておくだけでも多少は湿度を維持することはできます.
(もちろん霧吹きもしくはミストシステムなどは必要ですが…)

樹上棲のボア・パイソンには床面積の半分くらいを水容器にしている飼育者の方もいらっしゃいますし,グリーンパイソンなどは床面にそのまま水を張っている方もいらっしゃいますね.

個人的には半分くらいの大きさの水容器を入れることが多いです.

ツリーモニターにも同様な方法をしています.
(ツリーモニターの場合は糞を水容器内に落としてもらう目的もある)

シェルターは無理に用意する必要はありませんが,円柱のコルクなどをケージの上部と下部とに設置しておくとその中で休んでいることもあります.

登り木をたくさん入れて片側に造花や人工観葉植物などで隠れられる場所を設けても良いかと思います.

登り木を入れると荒くなるといった都市伝説的な話も聞きますが,本種に登り木は必須とは思ってください.



 ■ヘビは登り木を入れると荒くなるのか?

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3.アマゾンツリーボアのエサ

 ■幼体時



サイズに応じたげっ歯類・ウズラやヒヨコなどを与えます.

嗜好性は鳥類で高いようですが,サイズ的に幼体時はヒナウズラ程度しか食べられないので出来ればげっ歯類(マウス)に餌付けられれば良いでしょう.

ヒナウズラやヒヨコでは(ヒヨコを食べれるのは最大サイズになってから)カルシウムの含有量が少ないのでげっ歯類をメインとしつつヒナウズラなど鳥類を時折与える程度で良いかと思っています.

中にはマウスには全く見向きもしないものもいますので,購入する前にマウスに餌付いているかどうかは購入ショップでよく確認されることをおすすめ致します.

もし全くマウスを食べない生体がいる場合はマウスにウズラの臭いを付けるように一緒に解凍する,残酷ではありますがウズラの体液をマウスに付ける,もしくはチェーンフィーディングで与えるなど対策が必要です.



 ■マウスの解凍術

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 ■成体時



成体時も同様にサイズに応じたマウスやウズラなどを与えます.

個人的にはヘビはげっ歯類だけでも終生飼育は可能だと思っているので余程嗜好性に偏りがなければマウスに餌付かせたまままで良いかと思います.

もちろん,ラット以上のサイズが必要な種は別ですが…

ただし,マウスは完全食であるとともに非常に肥満しやすくもありますので,成体時には与える頻度・間隔は十分空けるようにしてください.

具体的には給餌日より10~2週ほど間隔を空けても大丈夫ですし,冬期などは2-3回に1回は3週間くらい空けるなど,ある程度はアバウトな方が良いかと思っています.
(これはあくまで私個人の経験でしかありませんが…)

いずれにしても飼育下のヘビは肥満により短命となりやすいとも言われますし,飢餓にはびっくりするくらい強いので平均全長程になれば可能な限りエサは絞るようにしましょう.

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4.慣れる?モルフについて



慣れるというよりは飼育環境に慣れ,飼育者の気配を感じると「ニュー」っとこちらに向かって「エサをくれ」と,首を伸ばしてくることはあるかと思います.

ただ,ハンドリングなどは割と難しい…というよりしたくないです.

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しかも樹上棲ですので登り木に巻き付き取り出すにも一苦労…

もちろん,ハンドリングが上手な方比較的大人しい個体などもあるので一概にできないというわけではありませんが,個人的には観賞用と割り切った方が生体も飼育者も平穏な爬虫類ライフが送れるかと思います.

モルフは現在のところ…いない??と思っていいかと思います.

本種の面白いところはガーデンフェイズの生体からカラーフェイズの子が産まれることもあり,産まれる生体によってその色彩が様々であるところです.

私個人として本種の繁殖経験はありませんが,ビックリするくらい赤色な生体や黄色な生体などそのカラーバリエーションは様々で,この生体の魅力にハマってしまう方が続出する気持ちもとてもわかります.

狙ってその色彩が出せるかなどは私自身はわかりませんので,今後の動向に注目したいところです.




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5.アマゾンツリーボアのまとめ



いかがでしたでしょうか.



【アマゾンツリーボアの飼育・飼育環境】



どこか毒々しく狂暴そうなその外観ですが,非常に美しい色彩を持った種が多く,現在進行形で多くの方がその魅力にどっぷりハマっています.

現在,CB個体の流通も増えてきていますので,今後は本種も様々なモルフなどが生まれてくるかと思います.

日本でもアマゾンツリーボアの繁殖を成功させているブリーダーの方もいらっしゃるので,ますます今後に期待が持てますね.

大型化しない樹上棲のボアとして,私たちの住宅事情にも優しくおすすめしやすい爬虫類の1種となるのかもしれません.





 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


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