【51Base】です.
【ドワーフモニターの飼育・飼育環境】
今回の記事ではドワーフモニターの中でも比較的ポピュラーな
・チモールモニター
・ピーコックモニター
・シミリスモニター
に絞ってまとめていきます.
ドワーフモニターにはオーストラリア原産の
・リッジテールモニター
・キンバリーロックモニター
・トリスティスモニター
など魅力的な種が存在しますが,非常に高価です.
ドワーフモニターはなんといっても小さくてカッコいい…日本の住宅環境にも優しく飼育の敷居が比較的低いと言われています.
その手軽さ(?)から飼育を始める方も多いのではないでしょうか?
ですが,飼育してみると思ってたのと違うと思われる事もあるかもしれません.
・エサを食べない
・飼育者を見ると大暴れで逃げようとする
・シェルターに引きこもり など
想像していたモニターと今目の前にいるモニターとの乖離に戸惑うことも多々あります.
今回はそんなドワーフモニター達の魅力と飼育方法・飼育環境などをまとめていきます.
目次
1.ドワーフモニターとは
■種類と大きさ・価格
爬虫網有隣目オオトカゲ科ヒメオオトカゲ亜属
オオトカゲの中で小型な本種ですが,その種類は多様で様々な地域に生息しています.
もともとはVaranus timorensisを基準とした地域個体群とされていた種類も多くいましたが最近は分類上の帰属ははっきりとしてきたようです.
主にインドネシアの島々に生息するドワーフモニターの代表種たちです.
□チモールモニター
別名ヨジリオオトカゲで生息地はインドネシアのチモール島。大きさは60cmほどで比較的入手しやすいです。
□ピーコックモニター
別名はクジャクオオトカゲで生息地はインドネシアで大きさは60cmほどです。クジャクの名前の通り羽のような模様が全身にはいっています。
□シミリスモニター
生息地はインドネシア、オーストラリア、パプアニューギニアなど幅広い生息域で大きさは60cmほどです。
個人的にはピーコックモニターとチモールモニターの区別がつかない時もありますが,ピーコックの方が色味は派手です.ピーコックモニターは60cm程度で価格は15000円~40000円、チモールモニターは60cm地程度で15000円~25000円前後になります。
シミリスモニターは白みがかっており非常に目立ちますし,どこか気品のある佇まいですね.大きさはチモールと同じで価格は20000円~30000円程前後となっています。
シミリスモニターの大きさは約60㎝で寿命は訳15年から20年くらいと言われています。
最近では見る機会が減っては来ましたが,それでもシミリスモニターは比較的入荷を目にするかと思います.
この3種のドワーフモニターは総じて臆病で警戒心が強い個体が多いです.
積極的に噛んでくるものは少ないですが,ほとんどの個体でケージ内をバタバタと逃げ回ります.
もう一点としては樹上棲が強い傾向にあります.
小型の本種としては天敵の多い地上や水場は避け,天敵の少ない樹上での生活を選んだのかもしれません.
2.飼育・飼育環境
■飼育ケージ(市販ケージでOK)
本種は最大でも60cm程度までしか成長しません.60cmといっても半分以上は尻尾ですし,スリムな体型なので思っている以上に小型です.
樹上性の傾向がありますが,小型の本種は市販のケージの高さでも十分です.
最終的なサイズも60cmのケージもしくは90cmのケージがあれば十分です.
ブリーダーなどでは30×45㎝のケージで飼育されている方もいますが,可能な限り広いケージを用意するようにしましょう.
多頭飼育をする場合は必ずシェルターを多く設けることと,可能な限り広いケージとし,ストレスを軽減してあげるようにしましょう.
基本的には非推奨です.
ツリーモニターの多頭飼育については下記の記事でまとめていますので,注意点など参考にしていただければと思います.
また,大型ケージとなると自作ケージが必要となりますが,こと本種に関しては120㎝クラスのケージでも多頭飼育は十分可能です.
爬虫類ケージの選び方に迷われた際は下記の記事を参考にしてください.
■温度・湿度(高温多湿)
チモール・ピーコック・シミリスモニターについてはインドネシアの熱帯性気候に生息しているため温度・湿度共に高温多湿な環境が望ましいです.
ケージ内温度:28℃
ホットスポット:35~40℃
夜間温度:26℃
熱帯雨林は夜間も熱が籠りやすいので気温は下がりにくい傾向にあります.
参照:地球の歩き方
25℃以下はすぐには生体に影響は出ないかもしれませんが,徐々に体調を崩したり,病気になったりしますので,基本的には25℃以下にしないと思っていいです.
湿度については本種は意外に多湿が嫌いな印象を受けます.
個体差によるのかもしれませんが,以前飼育していた個体は湿度が最も高く,安心できるシェルターではなく,最も湿度が低く風通しのいいケージ上部にて常に眠っていました.
インターネットでもそのような傾向を示す個体を見たこともありますので,ある程度は生体に選ばせてあげるようにして良いと思います.
■爬虫類の湿度管理について
■紫外線
基本的に昼行性のトカゲに紫外線は必須です.
赤道付近の熱帯性気候に生息してる彼らは比較的強い紫外線を浴びている為,飼育下でも必ず準備しましょう.
電球タイプは紫外線量が少ない結果が出ていますのでセルフバラスト水銀灯もしくはメタハラの使用をおすすめします.
個人的にはラプターを使用することが多いのですし,小さな種では蛍光管の紫外線灯を使用する場合もあります.
*資金的余裕があればメタハラはぜひ導入したい
ただし,モニターの様な全体食を与えるトカゲに関しては必ずしも紫外線は必要でないといった話もよく聞きますし,いまだに議論されています.
私は多くのモニターを飼育していますが,サルバトール系には紫外線灯は使用せず,ツリーモニターやアフリカ・オーストラリア原産のものには使用するようにしています.
■爬虫類の紫外線について
■オオトカゲ・モニターの紫外線について
■シェルター
飼育開始当初は生体のストレス軽減と環境に慣れてもらうために必ずシェルターは入れるようにしています.
これはヘビでも同様です.
「静かで暗く,狭い空間」
は彼らにとって非常に落ち着ける場所です.
最終的にはあまりシェルターはなくても良いかと思いますが,できる限り1つ・2つほどの隠れ場所はあった方が生体の為には良いかと考えます.
■爬虫類の立ち上げについて
■水容器
比較的本種は水棲が弱い傾向にあると思います.
水容器に浸かっている所を飼育時もショップなどでもあまり見かけません.
ですので本種においてはあまり大きな水容器を用意するよりも小さな水入れ程度でもよいかもしれません.
チモールモニターを温浴させたことはないのですが,フトアゴやバナスパの様に嫌がるといった話も聞いたことがあります.
このあたりは個体差があると思いますので,水容器の大きさについては購入後の様子を見ながらでも構わないと考えています.
3.エサ(コオロギ・デュビア)
■幼体時
基本的には無脊椎動物,つまり昆虫がメインになります.時折刻んだピンクマウスなどを与えても良いのですが,そのほとんどはコオロギやデュビアで事足ります.
*乾燥・冷凍コオロギに餌付いてくれれば管理が非常に楽になります.
■成体時
成体時も同様にサイズアップしたコオロギ,デュビアで大丈夫です.
量もその他のモニターに比べるとそこまで多くなくてもいいですので管理は楽かもしれませんが,時々ササミやハツ,マウスやひな鶉などを与えてもいいです.
■爬虫類の餌代について
4.慣れるのか?ハンドリングは?
本種は小型種であるがために比較的臆病な性格をしたものが多い傾向にあります.
慣れるには慣れますが,SNSなどで見られるようなべた慣れになるかと言われれば正直難しいような気もします.
ここはいかに生体に対して「愛情」ではなく「時間」を掛けられるかに尽きるでしょう.
全く慣れないわけではありませんが,「そのうち慣れる」は難しいと個人的には思っています.
■モニターの慣らし方
5.まとめ
いかがでしたでしょうか.
【ドワーフモニターの飼育・飼育環境】
小さい体からは想像もつかないほどの力を持っていますし,小さくともモニターなのでスマートなフォルムをしており非常にカッコいい.
始めはバタバタ・食べないなど苦労も多い生体かもしれませんが,飼育規模はコンパクトに収まるためハードルは低いのではとも思います(ドワーフモニターの飼育が簡単というわけではありません)
本記事では主にインドネシアのドワーフモニターについてまとめました.
リッジテールモニターやキンバリーロックモニターなど乾燥地帯に生息する種についてはいずれまとめられればと考えています.
**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう