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【ロシアリクガメ】初心者や女性でも飼いやすいリクガメの飼育方法と生態

【ロシアリクガメ】初心者や女性でも飼いやすいリクガメの飼育方法と生態 カメ 飼育・飼育環境
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【51Base】です.
















【ロシアリクガメの飼育・飼育環境】















非常にポピュラーなリクガメとして入門種としても勧められることも多い本種。



ハマガメ科に属する爬虫類の種です。この種は、中央アジアや南西アジアなどに生息しており、地中に洞穴を掘って生活するリクガメです。

飼育環境はやや日本に類似している点もあり比較的飼育はしやすいと言われます。



ですが,紫外線や給餌など不適切な環境での飼育は,すぐに体調を崩すことはありませんが,2-3年後に急にガタガタッと状態を崩し短命に終わるものも少なくありません。



今回はそんなロシアリクガメの飼育と飼育環境,また生息地や種の保存などについてもまとめていきます。

 

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1.ロシアリクガメとは?

 ■分類



ロシアリクガメ

爬虫網カメ目リクガメ科ヨツユビリクガメ属

学名:Agrionemys horsfieldii

英名:Central Asian tortoise・Horsfield’s tortoise・Russian tortoise

和名:ヨツユビリクガメ







以前はチチュウカイリクガメ属として分類されていたが,現在は独立種とされています。

4本の前肢が土を掘るのに適したシャベル状に発達しており、和名の由来になっています。

3亜種に分類されると言われていますが,はっきりと細分化はされていないようで,ここでは広義のロシアリクガメとしてまとめていきます。





 ■生息域



ロシア・カザフスタン・アフガニスタン・イラン・パキスタン・トルコ・イラン・トジキスタン・ウズベキスタンなどの中央アジアや南西アジアの砂漠や乾燥地帯、河川谷などに生息しています。



ロシアリクガメは主に中央アジアに生息しており,降雨量の少ない草原や砂漠の丘と言った乾燥したところに分布します。



生息域やその環境は多岐に及び,高地で生活しているものもいます。









 ■大きさ・価格・寿命



平均甲長: 20~25㎝

最大甲長:28~30cm

                     寿命:20~30年

 

ロシアリクガメは,ハッチベビーで約2㎝で,およそ2-3年で甲長20㎝~25㎝まで成長します.

ロシアリクガメはリクガメの中でも小型で、前足に4本の指を持つ珍しいカメです。性格は大人しくて人なつっこく、飼い主さんになれると寄ってくるようになります。

メスがオスよりも大きくなりますが一回り程度ですので,本種程の大きさでしたら飼育環境にはさほど影響はないかと考えます。



ロシアリクガメは,他のリクガメよりは小さく初めて飼育するリクガメとしても比較的おススメしやすい種かと思います.また他のリクガメに比べて適温範囲が広いので初心者や女性にも飼いやすいといえるでしょう。

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また,価格についても10,000円~15,000円程で販売されることが多く,爬虫類イベントなどでは8000円程度でCBベビーが販売されていることも…



また,販売頭数が多いという事と,CB個体が多いという事はそれだけ飼育者も多く,飼育ロジックも確立している種ですので,飼育に関してのヒントや各飼育者の工夫など,初めて飼育する方にも安心かと思います。





寿命ですが、平均して25年で、上手に育てれば40年は生きることができます。

長生きですので飼うときは終生飼育を考えて次の飼い主さんをどうするかなどを考慮してからお迎えしましょう。

 ■絶滅危惧種・CITESについて



CITESⅡ類

Vulnerable (VU):危急種









ロシアリクガメは絶滅危惧種の危急種に分類され,生息地の破壊や乱獲が原因で非常に数を減らしています。



「絶滅危惧種」とは、絶滅する危険性が高い種を指します。この種は、人為的な要因や自然的な要因などにより、生息地や数が減少しているため、絶滅の危険に置かれています。

また「危急種」とは、さらに深刻な状況にある絶滅危惧種のことを指します。この種の数が急激に減少しており、絶滅の危険性が非常に高いとされています。

ですが,現在本邦に入荷・販売されているものはCB個体・飼育下での繁殖によるもので,野生採集個体ではありません。



特にリクガメに関しては生息地の破壊や乱獲,食料不足を引き起こす内戦時の食料など,様々な要因でその数を減らしているものがほとんどです。



最近ではインドホシガメパンケーキガメもCITESⅠ類に登録され国際的な商取引は禁止となりました。



 

インドホシガメ

参照:Wikipedia





こうした背景がありますので,飼育下のロシアリクガメも大切に飼育してあげたいものです。









 

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2.飼育環境~ケージ・湿度~

 ■飼育ケージ



ロシアリクガメの大きさは,20㎝~25㎝の場合が多くケージサイズは生体の4倍~6倍の程が良いとされます。

ベビーの飼育には60cm程度のケージを用意できれば問題ないです。

特にリクガメに関しては床面積の確保が最も重要で高さは求められませんので,例えばグラステラリウムの6030あたりから始めても良いでしょう。

飼育ケージは横幅で体長の5倍、奥行きで3倍が目安です。90cm程度のケージを用意してあげるとよいです。エサ置き場は床材が餌に付着しないように、平たい石やフチのないお皿などを用意してください。常設しておかなくても大丈夫ですが、餌を食べるのは遅いので、大きすぎる容器は適していません。

エサは草食性なので、小松菜やチンゲンサイ、水菜などの葉野菜を中心に与えてください。その他の野菜や野草、果物などもバランスよく与えましょう。

繁殖は4月~8月にかけて行います。産卵は土の中で行い、一回の産卵で2個~5個の卵を産みます。

卵は産卵から2ヶ月で孵化します。

オスとメスの性別を見分けるには、生後1年半以上経過して、性成熟している必要があります。

 





最終的には奥行き60㎝,横幅90㎝ぐらいのケージが適していますが,奥行きのあるケージは既製品ではないので,オーダーケージか自作ケージが良いです。



ただし,床面積が広くなればなるほど,ケージの保温には大型の保温器具が必要となりますので,電気代や設備投資はしっかりお金を掛けてあげてください。

■床材

ロシアリクガメは砂を掘るのが好きなので砂漠砂やヤシガラマットなどを厚めに敷き詰めたり、床材として砂を使用する際には5cm以上盛ってあげてください。ただし、砂を敷くとフンなどの世話をこまめにする必要があるので、ヤシガラマットやウッドチップなどの床材、ペット用のトイレシートでも代用できます。もおすすめです。

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 ■温度・湿度



ロシアリクガメは乾燥した場所を好んで生活しており,湿度でジトッとした環境よりはある程度はカラッとした環境で育てると上手く飼育できます。

温度は気温が10度を下回る11月から3月にかけて冬眠を行います。

冬眠するために地上から50cmほどまで穴を掘って、そこで冬眠を行います。冬眠をさせるときは温度の変化をさせず、一定に保つようにしてください。

ロシアリクガメの生息域ロシアやアフガニスタン、パキスタンなどでは、日本と似た温度や湿度でもありますので,日本でも飼育しやすいと言われています。



ロシアリクガメを育てるときに注意してほしいところが,暑すぎず寒すぎずといった話をよく聞きますが,特にベビーの間は乾燥しすぎると状態を崩したり,餌食いが落ちたりするものもいますので,シェルターなどは適度に湿度が保てるようにしましょう。



具体的には定期的な霧吹き,ヤシガラマットを敷く,水容器の近くにシェルターを設置するなどです.







スポット

温・湿度
バスキングスポット 35℃前後
ケージ内温度 28℃
ケージ内最低温度 25℃
夜間温度 25℃前後
湿度 50~60%

保温器具は保温ランプとパネルヒーターいずれかを用意しましょう。

温度が上がりすぎないようにサーモスタットも併用すると安心です。



 

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ロシアリクガメは一週間に1回くらい温浴をさせると体が綺麗になったり便秘の解消にもなりますので体調をみて行ってみてください。

方法としては30℃から35℃くらいの呼吸ができる深さのお湯に15分から20分様子を見ながら入れてあげます。排泄することがありますので終わったらタオルなどできれいに拭いてあげるときれいな姿を見せてくれます。

 

 ■水容器



ロシアリクガメの飼育において,水容器は必須です。

水浴びが好きなので、全身を浸かることができるものを入れてください。水容器の中でフンをすることも多いので、毎日交換するようにしてください。水容器の中に入りやすいように、床材の中に少し埋め込むか、フチが浅いものを用意してください。

飲水としても上がりすぎた体温の調整などにも重要なポイントですが,特にベビーの間は水深が深いと容易に溺れてしまうので,浅く広い水容器を用意してください。



水は毎日張り替え,水容器も洗浄し常に清潔な環境を保つように意識しましょう。




 

 ■紫外線



水棲のカメ含むすべてのカメに紫外線は必須です。

バスキング用と紫外線用の2種類が必要です。バスキングスポットは35度前後に設定し、紫外線はカルシウムの吸収に必要なビタミンを作り出します。

シェルターは光を浴び続けるのが苦手なので、隠れ家になるものを入れてあげましょう。人慣れしていない個体は隠れる癖がつくので、様子を見ながらシェルターをなくす日を作ったりしてください。

リクガメの甲羅は、その外側にある硬い骨質層と、内側にあるやわらかい骨軟骨層から構成されています。甲羅の骨質層は、カルシウムやその他の鉱物質から形成されています。これらの鉱物質は、紫外線によって産生されるビタミンDを活性化することによって吸収され、甲羅の成長に必要な栄養素を提供します。

また、紫外線は、リクガメが健康な免疫系を維持するためにも重要です。紫外線は、体内のビタミンDを活性化することによって、免疫系を刺激し、健康を維持するために必要な代謝プロセスを促進します。リクガメが十分な紫外線を受け取らない場合、代謝プロセスが妨げられ、免疫系が弱くなり、健康問題が発生する可能性があります。

したがって、リクガメの甲羅の形成には、紫外線が不可欠であることが示唆されています。野外で自然な日光浴を提供することは、ロシアリクガメの健康にとって非常に重要な役割を果たします。

一番良いのは太陽光ですが,冬期は不可能ですし窓ガラス越しではUVAしか浴びることができないため,やはり紫外線灯は重要な飼育器具となるかと思います。

昨今では紫外線も照射可能なバスキングライトが販売されていますのでおススメです。



セルフバラスト水銀灯と呼ばれています。







小さなトカゲなどでしたら蛍光管タイプの紫外線灯でも十分なバスキングスポットとなり得ますが,リクガメに関してはバスキングライトは必須と言っても良いでしょう。



ただし,熱量はどうしても純粋なバスキングライトには劣りますので,じりじりとしっかり温める場合はバスキングライトと紫外線灯を併用してください。



その際にはZOOMED社のものが最も保温と明るさがありますので個人的にはオススメです。







そして紫外線灯も使用する場合はZOOMED社のものか,ボゴナクラブのものを好んで使用しています。



スパイラルタイプは紫外線量が少ない報告も数多くありますし,アメリカなどのブリーダーの多くは蛍光灯式の紫外線灯を使用しているため,個人的には重宝しています。







また,ロシアリクガメに紫外線を与えことによって病気予防にもなりますので,紫外線の管理にも気をつけながらロシアリクガメを飼育すると良いです。





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3.エサ

 ■幼体時



幼体時はしっかりと与えて構いませんので1日朝夕の2回与えます.



草食性ですので雑草や果物や野菜を食べます.小松菜やチンゲンサイ,ニンジンなどの根野菜や豆類など可能な限りバリエーションに富んだ食事を用意しましょう.



また,リクガメフードなど人工飼料を一緒に混ぜて与えるとより良いです。



タンポポやクローバーと言った野草も与えて大丈夫ですが,可能な限り食用の物を使用することをおすすめ致します.果実ではイチゴやリンゴなどが良いですが週に1₋2回与える程度で良いです。















 ■成体時



成体時も同様にバリエーションに富んだ葉野菜を中心に根野菜や豆類を与えますが,幼体時よりエサの頻度は落としていきます。



具体的には2日1回しっかりと与える.もしくは少量を1日1回といった様に与えすぎには少し注意した方が良いです。



特に飼育下では思っている以上に運動量が少なく容易に肥満する傾向にあると言われていますので,食事で絞るしか方法はないかと考えています。

(もちろん1部屋や広大なスペースで飼育される場合は別)





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4.慣れる?ハンドリング



飼育開始当初は臆病でシェルターに籠ってしまうものも多くいますが,市場に出回る生体は全てCB個体ですので比較的慣れやすい傾向にあります。



特に幼体時から私たち人間に飼育されてきたものは人に対する恐怖心が低く,給餌前などノソノソと近寄ってきますので非常に可愛いです。

また,ロシアリクガメの大きさもリクガメの種類の中では,小さいのでハンドリングもしやすいでしょう。



個人的にはハンドリングというより持ち上げるといった表現が正しいかと…



ただし,思った以上に素早く動きますので,絶対に落とさないように注意してください。



落下による死亡を時折聞きますが,意外にカメやカメレオンなど動きが遅いイメージがある種が多い印象です.

ハンドリング後は必ず手を洗うようにします。カメの表面には細菌や寄生虫などが存在する可能性があります。また、カメ類はサルモネラ菌を保持することが知られています。ハンドリングした後に手を洗わないと、これらの病原体が手に付着し、口や目などの粘膜を通して人間に感染する可能性があります。

さらに、人間の皮膚の自然な油分や化学物質などがカメに付着することで、その健康に悪影響を与えることがあります。したがって、ハンドリングした後に手を洗うことで、カメの健康を保護し、自分自身を守ることができます。

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5.飼育のまとめ



いかがでしたでしょうか.







【ロシアリクガメの飼育・飼育環境】







非常にポピュラーな本種ですが,やはりカメですので非常に長寿です。



持て余さない大きさも相まって非常に人気種ではありますが,紫外線やバスキングスポット,床面積を確保したケージなど以外に設備投資も高額となってしまいます。



特にリクガメに関しては,小さくて可愛いからと安易に購入されることは避けたいところです。



ですが,飼育環境を整えてあげれば日本の環境に適応しやすく,長年のパートナーとなってくれる最高のペットリザードとなるのではないでしょうか。

カメのことについてもっと知りたいという方はぜひこちらのカメ大図鑑を読んでみて下さい。














 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう

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