【51Base】です.
【ヘビの飼育開始時にすること】
昨今は爬虫類のイベントや展示即売会,爬虫類カフェなど以前よりも爬虫類と触れ合う,知る機会が増えてきたようにも思います.
■おすすめ爬虫類イベント
また爬虫類の飼育は犬や猫といった愛玩動物と比較して,手間があまりかからず,飼育スペースをとらず,エサ代もそこまでかからないことから,10代~20代の若い世代を中心にじわじわと人気が出てきています.
ですが,やはり飼育初期というのは誰しも不安なことが多いと思います.
今回はヘビを購入してきてから飼育を開始する際にすることや注意することなどをまとめました.
目次
1.ヘビはどこで買えばいいの?
まずヘビの飼育を考えている方にとってそもそもヘビは売っているのか?といった疑問を持っている方も少なくありません.
現在に日本にはアオダイショウやシマヘビなど主に8種類(本州)のヘビが生息しています.
ですが世界に目を向けるとヘビは約3000種類もいます.
そして日本でもその海外のヘビは割と多くの場所で販売されています.
■総合ペットショップ
ホームセンターや店舗を構えているお店など様々ですが,主には犬・猫・熱帯魚などが主力商品です.
ですが,多くの店でその一角に爬虫類コーナーは存在します.
総合ペットショップで主に販売されている種としてはメジャーなものがほとんどです.
・ボールパイソン
・コーンスネーク
・カリフォルニアキングスネーク
また,最近では総合ペットショップでもエサである冷凍マウスを扱っている店舗も増えてきた印象ですので初めてヘビを購入するには敷居が低いと思います.
ですが,爬虫類コーナーに力を入れているショップは良いのですが,そうでないところだと管理が不十分であったり,飼育の知識が乏しかったりと不安な面もあります.
■爬虫類専門店
次に爬虫類専門店です.
全国には爬虫類を専門に扱っているお店が数多くあります.
特に関東,大阪に集中しています.
(空輸の関係から)
関東圏や関西圏にお住まいの方はぜひショップ巡りなどされて色々な生体を見てみてください.
また九州にも最近ではチラホラ店舗が増えてきている印象ですので,九州地方にお住まいの方もぜひとも行かれることをおすすめします.
ですが初めて行く方でよく聞くのが
「入店するのが怖い」
とてもよくわかります.
なんだかとても入りにくい印象ですよね…
大丈夫です.少し怖いな…と感じる方はいますが,皆さん非常に親切でかつ知識が豊富ですので,わからないことはどんどん聞きましょう.
専門ショップでは一般のペットショップには販売されていないような珍しい生体などもいますし,専門のスタッフがいるため購入後のアフターフォローも安心です.
私も数年前に購入した県外のショップに今でも時折相談のメールをすることがありますが,何年経っても親切丁寧に説明してくれるので非常に助かっています.
■イベント(展示即売会)
ここ数年は爬虫類の展示即売会も全国各地で開催され,非常に大盛況です.
■おすすめ爬虫類イベント
依然は5月~10月くらいにあることが多かったのですが,最近は11月~2月にかけても開催されるほどです.
イベントでの醍醐味は何といっても圧倒的な生体数です.
全国各地から多くの専門店が出店する為,珍しい生体からポピュラーな生体まで選ぶことができます.
初めて爬虫類を飼育する方もイベントで購入する人は多いと思います.
ただし注意したいのがあまりの人の多さに生体についてなかなか詳しくスタッフに聞けない状況です.
イベントに持ってくる生体で例えば非常に弱っている生体などを持ってくるショップはないと思いますが,状態についてはバタバタとはしていますが必ず聞くようにしましょう.
聞くポイントとしては
1)エサは食べているか
2)何を主に与えていたか
3)入荷後どのくらい経っているのか
4)性格は?
5)CBかFHかWCか (これは記載されていることがほとんど)
また購入したショップが遠方でしたら直接店舗に行ってわからないことを聞いたりすることも困難ですので,そういった場合にメールで相談に乗ってもらえるかなども聞かれてみるといいと思います.
快く了承してくれると思いますよ.
2.飼育に必要なもの
では次に飼育を始めるのに必要なものですが,できれば飼育開始前にすべて揃えておき,温度や湿度も設定しておいた方がより良いと思います.
■飼育ケージ
まずは飼育ケージですが,これがないとさすがに大変なことですので,必ず購入前に準備しておくかもしくは購入したショップやイベント会場で買って一緒に買うようにしましょう.
イベントではワイルドモンスターさんが非常に多くのケージや用品をご用意されていますので,いつも長蛇の列が…
しかもインターネットで買うより安い場合もありますので,もしイベント会場で飼育用品も揃えられる場合はおすすめです.
では実際に飼育をする場合ですが,飼育を開始する生体にもよりますが,恐らく多くの方はベビーから飼育すると思いますので,まずはプラケースでも十分飼育は可能です.
ですが,やはりガラスケージで飼育した方が見た目も非常に良いので,グラステラリウムかニッソーあたりが最も使用している飼育者が多いのではないでしょうか.
最近では見た目も非常にスタイリッシュかつオシャレなケージも販売されていますので,こういったケージもインテリア的には非常におススメかと思います.
また,オールガラスのケージは重たいという欠点がありますが,個人的には最もオシャレなケージかと思っています.(飼育ケージにオシャレを求めるなとお叱りを受けそうですが…)
ヘビを飼育する際,ケージサイズの目安としてはとぐろを巻いた状態で4匹入る程度と言われています.
あまり広すぎるケージも落ち着かない生体もいますので適度な大きさのケージから始めることをおすすめします.
■飼育ケージの選び方
■保温器具
夏場に購入される場合にはすぐに必要というわけではありませんが,冬季には必ず必要となりますので,可能な限り飼育開始と同時に準備するようにしましょう.
ヘビを飼育する際にメインとなるヒーターは
・パネルヒーター
・暖突
・セラミックヒーター
・エアコン
その中でも特に使用することが多いパネルヒーターと暖突について書いていきます.
□パネルヒーター
爬虫類は変温動物ですので周囲の温度に非常に影響を受けてしまいます.
熱は非常に大切な要素で,体温が上昇することで筋活動や消化機能,また免疫機能も向上します.
特にヘビが体温を高くしないといけないときは…
「給餌後」
消化には非常に大きなエネルギーを使用します.その際に体の特に腹部をしっかり温めることができるのがパネルヒーターです.
またパネルヒーターは消費電力も低く家計に優しいという点も良いところですね.
ただし,冬期はエアコン管理でない限りパネルヒーターだけでの保温は困難な場合がほとんどだと思ってください.
(小さな生体で小さなケージの場合は大丈夫なこともあります)
□暖突
暖突はケージ全体を保温するのに適しています.
また,グリーンパイソンなどの樹上性のヘビに対しても登り木の高さを変更するだけで温度勾配をつけられますので非常に重宝します.
ただし,暖突はかなり高温になりますので,ケージ内がオーバーヒートする危険性があるのでサーモスタットは必ず使用しましょう.
保温器具についてはこちらの記事でも詳しく記載しておりますので,参考にされてください.
■水容器
次に水容器です.
ヘビも私たち人間と同様,水を飲まないと生きていけません.
また,多くのヘビは水容器の中に入ります.特にボールパイソンなど.
そして水容器内の水をこぼします….
ですので飼育する生体に水容器を倒されないようなるべく幅のあるものを使用するようにしましょう.
こういったアクリルボックスを水容器にすると見た目もスタイリッシュとなり非常におすすめです.
また,購入直後のヘビ,特にイベントで購入された場合は脱水気味となっているものも少なくありませんので,必ず多めに水を入れておき補水すうようにします.
■シェルター
次にシェルターですが,飼育開始時は必ず準備した方がいいと考えています.
「静かで,暗く,狭い」
彼らが安心できる安全な場所を必ず設けてあげましょう.
しばらくはその中に引きこもってしまうと思いますが,飼育開始時は急な環境の変化で強いストレス下にありますので生体の体調管理の面からも必須アイテムだと思います.
「シェルターを入れると荒くなる」
「慣れてくれない」
といった話を聞きますが,購入直後に慣れている生体はごく一部です.
いきなり知らない環境に連れてこられたのですから,輸送や環境変化によるストレスは非常に強い状況下にあります.
ストレスで拒食し,最悪エサを食べずに死んでしまうこともありますので,慣らすには時間を掛けてあげる気持ちで飼育を開始してください.
3.飼育開始時にすること
ではいよいよ飼育するヘビを購入して自宅へ帰ってきました.いよいよ楽しいヘビとの生活が始まります.
ですがその前に飼育を開始した直後は割と問題も起きやすいので,ここでは購入から1カ月くらいまでにやることなどをまとめました.
■当日
https://twitter.com/55Syusuke/status/1205312413576253441
まずは購入した当日です.
生体をケージに入れると恐らく真っ先にシェルターの中に入っていくと思います.
それが正解です.
いきなりケージのど真ん中で優雅に寝たりなどしません.まずは狭くて暗い場所で周囲の安全を確かめます.
その時に無理にハンドリングを行うと神経質な個体は拒食を起こしてしまいます.
飼育した当日は可能な限り触らないようにしましょう.
そして絶対に水は準備してください.
特にイベントなどで購入した際はほとんどの個体で口渇しているので割と「ガブガブ」飲むことが多いです.
そして給餌も控えましょう.
■2~3日
飼育開始後2-3日でシェルターからいそいそと出てきてはケージ内を徘徊している姿を目にする機会が増えてきます.
「チロチロ」と舌を出して「ウロウロ」していれば給餌のチャンスです.
しっかりと温めたサイズにあったマウスを与えましょう.
ここで注意したいことは
・エサを急に近づけない
・エサを素早く動かさない
・エサを生体の鼻先に当てない
特にボールパイソンの様に臆病な個体はそれが拒食の原因にもつながりますので,ソーっと顔の前に近づけてあげるだけで良いです.
その際に万が一食べなくても焦らずシェルターの前に置き餌にしておきます.
翌日になっても食べていない場合は廃棄して2日ほど空けてもう一度チャレンジしましょう.
■マウスの解凍について
■1週間
1週間ほど経てばケージ内のシェルターの中では結構ゆったりと過ごしていることもあります.
ですが,環境に慣れるには数カ月はかかることがありますので,焦らずゆっくりといきましょう.
ハンドリングは徐々に開始しても良いのですが,大前提としてヘビは触られて喜ぶ生き物ではありません.
ハンドリングは出来れば最小限に抑えたいものです.
*私もメンテナンスと体重測定の時以外はほとんど触りません.
4.イベントでの注意点
ではイベントでの注意点についてです.
爬虫類の展示即売会・イベントはほぼ毎月各地で行われています.
私も多くの生体を一度に見ることが出来るので非常に好きです.
ですが,やはり衝動買いをしてしまう方もいらっしゃいます.
(人のことは言えない…)
イベントでは通常より価格が安いこともありますので思わず買ってしまうこともありますので購入する前にもう一度,飼育環境が整っているかどうか再検討してみてください.
また,小さなパッキンに入れられているため,出品されている生体の様子が非常にわかりにくいです.
ですので購入前に可能であれば実際に触らせてもらったり出してもらったりしてもいいかもしれません.
*大型のヘビなどは周囲の方に迷惑となることもありますので断られることもあります.
5.まとめ
いかがでしたでしょうか.
初めは誰しも初心者です.わからないことがあって当然です.
私も初めてヘビを購入したときはいろんな書籍を見たりして想像を膨らませました.
今はSNSなどでも情報交換ができる時代です.多くの飼育者の生の声が聴けるということは非常に心強いのではないでしょうか?
また,生体は飼育者を選ぶことはできません.
最高の環境を提供する努力は常に惜しまないようにしましょう.
■ヘビの肺炎について
■爬虫類の突然死について
■爬虫類の立ち上げについて
**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう