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【ホウセキカナヘビ】大型で美しいカナヘビの正しい飼い方について

ホウセキカナヘビの飼育 トカゲ 飼育・飼育環境
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【51Base】です.














【ホウセキカナヘビの飼育・飼育環境】













爬虫類飼育者の中でも根強い人気を誇り,カラフルな種やレアな品種,そしてここ数年で作出され始めたモルフなど常に一定のファン層が存在するカナヘビ.



今回はその中でも大型で,非常に美しい「ホウセキカナヘビ」についてです。

ホウセキカナヘビとは、カナヘビ科に属するトカゲの一種です。

和名の由来は、成体のオスが緑色の体に青色の斑点を持つことから、宝石のように美しいとされることによります。また、ヘビのように見えることから、金物色(かなものいろ)をしたヘビや可愛らしいヘビ(愛蛇)という意味でカナヘビと呼ばれる説もあります。

ホウセキカナヘビはヨーロッパ南部の森林や草原、岩場などに生息し、昼行性で雑食です。

一昔前は荒いカナヘビで飼育はとても大変なイメージでしたが,ここ数年はCB化も進み非常に飼育しやすくなったようです。

今回はそんなホウセキカナヘビについて生態とその飼育方法やモルフについてまとめていきます。

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1.ホウセキカナヘビとは?

 ■分類



分類 爬虫網有鱗目トカゲ亜目スキンク下目カナヘビ科Timon属
学名 Timon lepidus
英名

Ocellated lizard
Eyed lizard

和名 ホウセキカナヘビ

   

 

ホウセキカナヘビとは?

参照:Wikipedia





 □亜種

  ・Timon lepidus ibericus

  ・Timon lepidus lepidus

  ・Timon lepidus oteroi
  

  ・Timon lepidus nevadensis

 

  ■生息域



スペイン・ポルトガルの広い範囲に生息しており,フランス南部及びイタリア北西部のごく一部にも分布しています.



参照:Wikipedia



ヨーロッパでは多くのブリーダーがおり,現在は流通するほとんどはCB個体であり,そのため例えばブラックパールといったモルフなども作出され始めています。

x.com

 

 ■大きさ・価格(値段)・寿命



平均全長:60~70cm

最大全長:90cm

寿命:15年から20年







 

概ね大きくて60cm程度で,90cm程の個体は見たことがありません。



頭が大きく,胴体もズッシリとしていますので,ドワーフモニターの例えばピーコックやシミリスなんかよりも大きく見えてしまうことも…



寿命は約15年~20年ほどと言われています。

 ■ドワーフモニターの飼育について

【ドワーフモニターの飼い方 ”まとめ” 】~飼いやすい小型のオオトカゲ,チモール・ピーコック・シミリスモニター~
...

 

価格についても,現在多く流通しているいわゆるノーマル?タイプのホウセキカナヘビであれば¥19800~¥30000程で購入が可能で,メラニスティックいわゆるブラックパールとなると¥50000~¥70000程でしょうか。

ホウセキカナヘビの値段は、種類や個体によって異なりますが、一般的には約9000円~3万円程度で販売されているようです。希少な体色や模様を持つ個体は、数万円から数十万円の高値がつくこともあります。これは販売しているショップや生体の大きさや美しさなどによっても多少上下しますが,比較的手の届きやすい大型のカナヘビかと思います。

ホウセキカナヘビは、美しい外見と人慣れする性格で人気のトカゲですが、飼育には注意が必要です。

オス同士は争うことが多いので、同居させる場合はメスを多めにするか、広いケージを用意する必要があります。また、生きた昆虫や小動物を餌とするので、それらを扱うのに抵抗がないかも考慮しましょう。

■SNSでのホウセキカナヘビ

x.com
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2.ホウセキカナヘビの飼育環境

 ■飼育ケージ



最大全長90cmと書きましたが,私自身はそこまでの生体は見たことがなく,概ね5-60cm程度で尻尾が長いので実質は頭胴長25cm程度でしょうか。



ですので単独飼育であれば60cmケージで何とか,ペアであれば90cmケージで何とかといったイメージです。



あくまで”何とか”で,可能であれば広いケージがあればその方が良いにこしたことはありません。



レイアウトして生体の魅力を十分に引き出すならばやはり90cm以上のケージはあった方がいいと個人的には思っています。





また,本種は基本的には地表棲ですが,樹上や岩の上などある程度の上下運動はしますので,流木や石などでレイアウトして上下の移動もしっかりできるように促してあげてください。

また本種はオス同士の抗争よりもメス同士の抗争の方が激しいといった話と時折聞きます。



基本的にはメスをめぐってオス同士がコンバットすることが多いのですが,意外にメス同士が攻撃しあうことも非常に多いようです。



私自身が本種の繁殖経験がなく,ハーレムを作らずペア飼育止まりでしたので結局のところ不明ですが,いずれにしても多頭飼育の場合は広いケージと複数のシェルター,給餌の工夫は必要でしょう。

また,オス2匹とメス1匹はかなりリスキーかもしれませんね…







 ■温度・湿度



イベリア半島は地域によって気候の変動が激しく,地中海性気候・大陸性気候・海洋性気候が混在しています。



あまり高地には生息していないようですが,ある程度寒暖差がある地域で,特に冬期は冷え込む傾向があり,本種は野生下では冬眠します。



北半球に位置しますので気候は日本と同様で,寒い時期は5℃程度まで低下します。



参照:How travel

 

冬眠は生体の健康と長寿に影響を与えると言われていますので,繁殖も視野に入れる場合は必ず行いますが,初めて飼育する場合やベビーであれば最初の冬は加温しても良いかもしれません。



ある程度大きくなってから10℃程度まで落として冬眠させる方もいらっしゃるので,一気に落とすよりは徐々に慣らすくらいのイメージでも良いかもしれません。



ホウセキカナヘビではありませんが,一気に冷やし過ぎてコロニーが全滅したという話も聞きますので…



湿度に関しても,地中海性気候や大陸性気候は比較的カラッと乾燥した気候で,降水量も日本ほど多くはありませんので,そこまで厳密にする必要はありませんが,夏場のジトッとした環境は考えようですので,バスキングスポット下はしっかりと熱して湿度を飛ばすようにしましょう。



スポット 温度
バスキングスポット 40℃以上
ケージ内温度 30℃前後
ケージ内最低温度 26℃前後
夜間温度 25℃前後

 ■シェルター



私はほとんどの生体でシェルターは入れるようにしていますし,生体にとっても安心・安全と思える「暗くて狭い場所」は必須だと考えています。



本種を始めとするスキンクは臆病で人間を見ると一目散に逃げていくものが多いです。



そんな時に隠れるスペースがなければケージに鼻先を強くぶつけたりなど思わぬケガを呈すことも…



また,本種を多頭で飼育する場合は先の項でも書きましたが,必ずシェルターを複数は用意するようにして,選べるようにしてあげることも大切です。





できれば仲良く2-3匹で折り重なって…とも考えてしまうかもしれませんが,可能な限り1匹2つ以上のシェルターもしくはそれに代わるものを用意してあげましょう。







 ■立体活動



思っている以上に立体活動は良くしますし,意外と細い枝も登ります。



ですが,どちらかと言えば岩や太い倒木の上などでバスキングしている姿を現地では見掛けると聞きますので,樹上棲のカナヘビの様なレイアウトというよりは,例えばリッジテールモニターやトゲオイグアナなどのような岩や倒木をイメージしたレイアウトの方が適しているのかもしれません。

それがそのままシェルターの代わりにもなりますので,より多くの隠れ場所を提供することが可能です。



レイアウトについては好みもあるでしょうが,個人的にはシンプルなレイアウトが管理がしやすいので好みではあります。

画像はヨロイトカゲのケージですが,こういった倒木・水容器・バスキングスポットといったシンプルなレイアウトでも倒木の下はシェルターとなりますし,バスキングスポット下の岩も夜間は程よく温まったシェルターの代わりにもなります.

 

 

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3.ホウセキカナヘビのエサ

 ■幼体時



本種はほぼ完全肉食性に近い雑食性のトカゲで,昆虫を始めとした無脊椎動物から成体では他の小さな爬虫類やげっ歯類,鳥の雛や卵などを捕食しています。



また,植物や果実を食べるものもいますが,中には全く食べようとしないものもいます。



地域によって果実をよく食べるものもい様で,地中海性気候,大陸性気候に生息するものは植物・果実食の傾向が強くなるようですが,個体差によるものもありますし,区別がつかないのでまずは全ての生体に与えてみてもいいかもしれません。



ただし幼体時はほぼ完全肉食性に近いものも少なくなく,この時期は成長に見合った蛋白質が重要なのかもしれませんので,可能な限り毎日サイズに応じたコオロギやデュビア,ワーム類などを与えます.



メインはコオロギ・デュビアやレッドローチとし,時折ワーム類や鶏のササミを小さく切ったものなどを与えると良いです。


また,人工飼料に餌付くものも少なくありませんので,レパシーなども与えてみても良いかもしれません。


私自身は本種の人工飼料による生育は経験がないので長期飼育が可能かは不明ですが,レパートリーに加えることによってより多種多様な給餌が可能となるという側面からも良いのではないかと考えています。







 ■成体時



成体時においても幼体時と同様にサイズに応じたコオロギやデュビア,レッドローチを中心に与え,時折ワーム類やヒナウズラ・ピンクマウス・鶏のササミやハツなどを与えると良いですが,限られたケージスペースとなるため容易に肥満します。

特に肉類を中心に与えると簡単に肥満し,短命に終わってしまうこともありますので注意しましょう。



本種は幼体時より成体時の方が個体差はありますが,より雑食性の傾向が強まる印象で食用のタンポポなど色合いが良いものにより嗜好が強いかと思います。成体に近くなってきたら、バナナ・ミカンなど果実野菜類を与えてもいいでしょう。




幼体時からもそうですが,クル病にならないためにも、昼行性のトカゲにビタミンD3を含むサプリメントは必須ですので,紫外線を照射していたとしても必ずカルシウム+ビタミンD3含有のサプリメントを添加するようにしましょう。



普段はビタミンD3が含まれていないものを与え、たまにビタミンがD3含まれているものを与えてください。ビタミンD3の与えすぎはクル病と同じ症状を引き起こすことがあります。



 

ホウセキカナヘビは日光浴が好きなので、ビタミンDを合成するためにも紫外線ライトをつけてあげるのもいいでしょう。体調や成長にもとても必要なツールになります。


 

 ■爬虫類の紫外線について

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4.ホウセキカナヘビはハンドリング・慣れる?



一昔前は荒いカナヘビの代表的存在でしたが,ここ最近はCB個体が多く流通し比較的ハンドリングも可能な種が増えた印象です。



特に大きくなる生体は成体になるにつれて飼育環境や飼育者に慣れやすい傾向にありますので,本種もベビーの際はバタバタしたとしても諦めずに半年はしっかり飼い込んでみてください。



1年もするとバタつくことはあっても概ね飼育者にも慣れてくれることがほとんどです。







 ■モニターの慣らし方

【モニター・オオトカゲが荒い,慣れない?】慣らすためのポイントをまとめました.
...

 

ですが,SNS等でべた慣れした爬虫類が注目される一つの要因として,慣れない生体が多く物珍しいからといった背景があることは少し頭に入れておいた方が良いかと思います。



実際に飼育してみて





想像と違った

SNSや動画サイトで見たものと全然違う





といったことにもなりかねませんので実際に手に取る,ショップの店員さんから現在の状態について詳しく聞いてみるなど購入に際しては一呼吸おいてからでも良いのではないでしょうか。



■多頭飼いはできる?

ホウセキカナヘビは多頭飼いできますがいくつか注意点があります。



  • 個体数のバランス: 複数のホウセキカナヘビを飼う場合、オス同士の争いを避けるために、オス1匹に対してメス複数匹の構成が望ましいです。

    自然下では繁殖期の春~初夏にかけてオス同士の縄張り争いがあるのでお勧めできません。

  • ケージの広さと隠れ家: 多頭飼いをする場合は、十分な広さのあるケージが必要です。また、隠れ場所を複数設けることでストレスを軽減できます。

  • 餌やり: 餌を与える際には、個体間での競争を避けるために、複数の場所に餌を置くようにします。弱い個体が餌を取れなくなることを防ぐためです。

意外にメス同士も攻撃しあうことがあるのでメスを複数入れる際は注意が必要です。

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5.ホウセキカナヘビのまとめ



いかがでしたでしょうか.





【ホウセキカナヘビの飼育・飼育環境】





非常に美しく,CB化も進んでおり,それでいて大型になるカナヘビ。



私たちが日ごろ思うカナヘビとはまた違った印象を受けるかと思いますが,非常に魅力的かつ価格も比較的安価となりつつあります。



ですが,やはり大型化しますし,飼育設備の維持管理にもお金や時間が必要です。



飼育には覚悟が必要となりますし,安易な飼育は生体にも飼育者にも不幸な結果を招きかねないのでよく考えてから飼育をしたいところです。











 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


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