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【パイソン・ボア・ナミヘビの吐き戻しについて】~ヘビの吐き戻しについて一人の飼育者として考える~

ヘビ 飼育・飼育環境

長州クリプター(Twitter/Instagram)です.







【パイソン・ボア・ナミヘビの吐き戻しについて】






ヘビの飼育をしていて飼育者を悩ます原因は

 

・拒食

・下痢

・脱皮不全

・ダニ

 

そして

 

・吐き戻し

 

ではないでしょうか.

 

この吐き戻しはヘビにとっては非常に心身ともにストレスを被る行為ですのでその原因と対策についてはしっかりと検討したいものです.
(飼育者にとっても心身ともにストレスが…)

 

今回は自身の飼育している生体の吐き戻しについて今まで経験した事などやかかりつけの獣医師からの話などを含めてまとめていければと思います.

 

*あくまで個人的な経験則に基づいて記載しておりますので,科学的根拠や医学的見地があるというわけではありませんので,最終的には獣医師の診察にて判断を仰ぐか,飼育者様の自己責任にて対処されてください.

 


  【内容】

   1.吐き戻しとは?

    ■嘔吐

    ■逆流

   2.考えられる原因

   ■温度不足

   ■ストレス

   ■消化器官の異常

   ■エサの品質

   ■先天的な通過障害

   ■寄生虫などの感染症   

   ■その他の感染症

   3.対策と予防

   ■対策

   ■予防

   4.まとめ
 

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1.吐き戻しとは?

 ■嘔吐



嘔吐とは胃の収縮に伴い,胃の内容物を吐き出す事

 

胃の中の異物や毒物などを吐き出す体の防御反応のひとつとされますが,種々の病気などが原因となる嘔吐や薬物による副作用で出現する場合もあります.

 

また,爬虫類など獲物を丸呑みにする生き物は消化液が非常に強い傾向にあります.

 

猛禽類などは皮や骨は消化できずにペレットととして吐き出すことが知られていますが,ことヘビに関しては骨も皮も基本的には全て消化しますので,非常に強い消化液を持っています.

 

そのため,嘔吐後は食道含む上部消化管に多大なストレスがかかった状態となるので十分な休息が必要と言えます.

 

また,ヘビの場合は嘔吐したものは一部,もしくは多くが胃液によって消化され原型があまり残されていない状態かと思います.

 

逆流と違って嘔吐物は非常に異臭を放ちますので,可能な限り早く取り除くべきです.

 

 ■逆流



逆流とは胃内に入った食物が胃や腸の機能不全により食道へ戻ってきてしまう状態です.

 

逆流性食道炎など聞き覚えのある疾患などがこれにあたります.

 

ヘビの場合での逆流は

 

・ストレス

・通過障害

・食べ過ぎ

・胃など消化器の機能不全

 

などが原因として挙げられ,ほとんどは給餌後のストレスによるものが多いかと思います.

 

給餌後すぐにハンドリングなど行う,ケージを動かしたりなど刺激を加えるなどで逆流して戻すことは神経質な個体ではよく見られます.

 

これは拒食にもつながりますので十分に注意したいところで,個体差があるため生体に応じて対応していくしかないかと思います.

 

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2.考えられる原因

 ■温度不足



ヘビは変温動物ですので外気温の影響を直接受けます.

 

外気温が低く体温が低下している状態が続くと

 

・不活性化

・免疫力の低下

・消化不全

・脱皮不全

 

など影響をうけ,こと消化については体温に直接左右されます.

 

獲物を丸呑みにするヘビは消化液が強く消化器内で腐敗が進むことはまずありませんが,体温が低下している状態では消化に多大な時間を要し,消化器系へのダメージが蓄積してしまいます.

 

その時,消化が困難,もしくは食物が腐敗してくるなどすれば嘔吐してしまいます.

 

食物とともに胃液が食道を通過することと,消化器官にも多大なストレスがかかっている状態が続いているため,しばらくの給餌は避けた方が良いでしょう.



必ずホットスポットは設けるようにすることと,ケージのオーバーヒートには十分注意しましょう.

 

 ■爬虫類の暑さ対策

【爬虫類の暑さ対策】
...



 

 ■ストレス



飼育環境・給餌後のハンドリングなど種々の原因により強いストレスを被る,もしくは生体が危険を感じると消化にエネルギーを費やせなくなるので,吐き戻しをすることがあります.

 

特に神経質な生体ではその傾向が強く,日頃から攻撃的,飼育者の姿を見るとすぐにシェルターに逃げるなどする生体は給餌後には特に注意が必要かと思います.

 

また,購入直後輸入・入荷直後の生体も強いストレス下にいたことと,新しい環境に慣れていないなど吐き戻しのリスクが高いので,可能な限り時間を空ける,もしくは干渉しないことも大切かと思います.

 

 ■消化器官の異常



消化器官に異常を呈しているかどうかについては飼育者には判断しかねると思いますので獣医師の診察が必要かと思います.

 

例えば給餌後に数日たってほとんど消化したものを吐き戻したり,便の様な吐瀉物が出たりなどある場合は消化器官の異常が考えられますので,獣医師に診てもらった方が良いでしょう.

 

体重が減ってきている様でしたら栄養が吸収できていない可能性もあり,血液検査など生化学検査が必要な場合もあります.

 

以前飼育していた生体は肝機能が低下し,消化吸収が乏しく栄養失調の状態だと診断された生体もいました.

 

 ■エサの品質



マウスやラットを自家繁殖されている方は少数派かと思いますので,ここでは冷凍餌を購入されているとの前提で進めます.


 

マウスやラットがどういった状態で冷凍されているのかについては私たち飼育者には知る由はないので,私たちにでき,かつ大切な事は給餌の際の解凍かと思っています.

 

マウス・ラットの体温は変動が激しいと言われていますが概ね38℃前後です.

 

解凍方法は

 

・自然解凍

・湯煎

・ホットスポット下

 

など人により好みがあるかと思いますが,与える際は必ず人肌程度には温めるようにしましょう.

また,明らかに変色したマウス腫瘤の様なものが認められるものなどは廃棄した方が無難と思います.

 

 ■先天的な通過障害



これは私自身は経験がないのですが,いつも診てもらっている獣医師さんから伺ったことがあるので挙げました.

 

小腸が捻転していたり狭窄があったりするようです.こういった症例は小さなエサを与えたとしても吐き戻す事があるみたいなのでそういった場合は一度,動物病院を受診されることをおすすめします.

 

 ■寄生虫・感染症



WCの生体などは必ずと言っていいほど寄生虫を持っています.

 

一概に全ての寄生虫が即,生体の生命に危険を及ぼすというわけではありませんが,「クリプトスポリジウム」という腸内寄生原虫は根本的な治療法もなく,他の生体への感染もありますので非常に厄介な寄生虫です.

 

クリプトスポリジウムはいわゆる原虫の仲間で消化管や呼吸器への寄生が報告され,致死性の下痢症とも呼ばれています.

 

他の生体への感染としては生体内で増殖したオーシストが便とともに外界へ排出され,それを経口から摂取することによって感染します.排出されたオーシストは増殖することはないとされています.

 

クリプトスポリジウムに感染した生体は頻回な下痢急激に痩せていくため,ある程度見ればわかりますし,動物病院での検便で診断が可能です.

 

また線虫などが体内にいる場合なども排便後の糞を水に浸すと,糞の中から寄生虫がワラワラと湧いて出てくることがあります.
*一度だけWCの生体で見たことがありましたがしばらく素麺が食べれなくなりました…

 

こうした寄生虫の感染により消化管の機能が低下しているための吐き戻しにも注意が必要ですが,いずれにしても近医の獣医師に相談されることをおすすめします.

 

 

そして感染症としてサルモネラ菌による急性腸炎もあると言われています.

 

私自身の生体も同様の腸炎で下痢や吐き戻し,緑色の尿酸といった症状を呈し,敗血症に近い状態にまで進行した経緯があります.

 

サルモネラ菌による腸炎は人間への感染もあり,報告された症例より「ミドリガメ」に多く存在するように思われがちですが,子供など人と触れ合うことの多い生き物であったためで,実際にはヘビでの保有率が多いと言われています.

 

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0806_01.pdf

 

通常であれば常在菌として特に悪影響はないのですが,不適切な飼育環境やストレス,餌が大きすぎるなど生体の免疫力が低下してしまうと,症状を呈してしまうと言われています.

 

いずれにしても私たちには診断をすることが出来ないため,上記の症状を認める場合は速やかに獣医師に相談されることをおすすめ致します.

 

 ■その他の感染症



肺炎やそれに伴う食道炎,マウスロットなどがこれにあたると思いますが,吐き戻すというより拒食をしてしまいそうですね.

 

ただ,強制給餌やアシスト給餌などをした場合には逆流を引き起こしてしまいかねませんね.

 

肺に水が溜ってしまうと食道が機械的に狭窄してしまうこともあるようですので通過障害も引き起こしますので,大きなエサを与えることは避けた方が無難です…

 

いずれにしても肺炎などを呈した生体への強制給餌は慎重に検討すべきだと思います.

 

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3.対策と予防

 ■対策



対策については生体によって千差万別かと思います.

 

まず給餌直後の吐き戻しについては

 

・安心,安全な環境

・エサの温度

・シェルターの有無

 

などでしょうか.

 

主には外的要因がほとんどだと思っています.

 

個人的にはヘビの飼育には必ずシェルターを設けるようにしていますので(樹上系は除く),給餌後はほとんどシェルター内でジッとしています.

 



 

中には水容器内に入るものもいますね.

 

また,余程の事がない限りは消化するとは思いますが,エサの温度が低かったり半解凍状態ですと消化が困難な場合がありますのでその日のうちに吐き戻すこともあるようです.

 

そして不幸にも吐き戻しをしてしまった場合ですが,獲物を丸呑みにするため消化液は非常に強いと言われ,吐き戻し後は消化管に多大なストレスが加わった状態です.

 

その状態ですぐに給餌してしまうと消化管のダメージが回復する前に多大なエネルギーを消費してしまうため消化不全や吸収障害を呈してしまうこともあります.

 

多くの方で吐き戻しから最低でも2週間は間隔を空けるというところは一致しているようです.

 

飼育下のヘビは私たちが思っている以上に過栄養の状態ですので水さえあれば1-2カ月の絶食にも十分耐えられます.

 

私は小さなベビーの場合は2週間,ヤング以上の生体は1カ月は空けるようにしています.

 

その際は1週か2週ごとに体重を計測し,急激に痩せていないかなどをチェックします.

 

ただし,肋骨が見えるくらい痩せ細っている場合や鱗が乾燥して捲れている,黒い斑点の様なものがある(敗血症)場合はすぐに獣医師に相談することをおすすめ致します.

 

 ■予防



吐き戻しをしてしまった生体,もしくは吐き戻しはまだしたことがない生体ともに言えることは

 

・飼育環境の再考

・ストレスを与えていないか?

・体調は良いか?

・エサの品質や解凍温度

 

などでしょうか.

 

飼育環境については,ストレスと同様に生体が「安心・安全」と思えるシェルターやケージ環境かどうかを再度考えてみてください.

 

シェルターに引き籠られるとせっかくの美しいヘビを見ることが出来ないからシェルターは入れたくないといった話もよく聞きますし,ごもっともだと思います.

 

そうであればケージ環境を人が通らず薄暗い場所に設置するなどの工夫が必要かと思います.

 

また,生体に応じた温度管理も非常に重要で,ケージ内温度だけでなくホットスポットの温度にも気を遣うようにしましょう.

 

特にエサのサイズアップをするときはしっかりとホットスポットの温度を上げておきましょう.
*私はエサのサイズアップで失敗したことが過去にあります…

 

体調については

 

・糞,尿酸の状態と頻度

・エサを探して動いている?

・呼吸の様子や口腔内はどうか?

・前回の給餌は?

 

など日々の状態や気づきなどをメモにしておくといいかと思います.

 

私は生体数自体はそこまで多くはありませんが,給餌や糞・尿の記録を記入できるような用紙は常に飼育部屋には置いています.
*はじめはタブレットでしていましたが,簡易的なので現在は手書きで行っています.体重だけはExcelで管理しています.

 

 

個人的には吐き戻しをする生体のほとんどは生体の性格か,外的要因によるものだと思っていますので,もう一度飼育環境や給餌前後の行動などを振り返ってみても良いかもしれません.

 

例1)給餌後にハンドリングをした,少し触った

例2)給餌後に近くでジッと見つめている

例3)給餌後にケージ内の清掃をした

例4)人の行き交いが多くある場所にケージを置いている

例5)その日はとても寒かった

 

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4.まとめ



いかがでしたでしょうか.

 

【パイソン・ボア・ナミヘビの吐き戻しについて】

 

初めて吐き戻しをされた時のことは今でも鮮明に覚えていますし,その当時はインターネットもそこまで普及していなく,現在の様にSNSもなかったのでどうすればよいか右往左往した記憶があります.

 

吐き戻したマウス・ラット,ウズラなどは非常にショッキングなものですので,ここでは画像等は貼りませんが一度ご覧になられたらもしもの時に免疫がついているかもしれません.

 

いずれにしても吐き戻すということは飼育環境か生体へのストレスか,もしくは何かしらの疾患を患っているのか…

 

そういうときの為にもエキゾチックアニマル(特に爬虫類)を診察してもらえる動物病院は知っておいた方が安心と思います.




**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


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