【51Base】です.
【飼育は可能だが危険なヘビ~7選~】
世の中はヘビを嫌悪する人が多く,飼育している人はかなり稀な存在だと思います.
ですが,ここ数年は爬虫類イベントが非常に増え,さらにはSNSでも爬虫類飼育者の方々のコミュニティーなど爬虫類を知る・触れる機会が以前よりも多くなったと実感しています.
今回はそんな爬虫類飼育者の中でも飼育している人が限られるヘビについて,飼育できるが
「荒い」
「神経質」
「素早さ」
「牙の長さ」
など危険度の高いヘビについてまとめましたので,どうぞ最後まで御笑覧ください.
*本記事は個人的見解にてまとめたもので,ご紹介した生体について否定するものではありません.むしろ今回紹介したヘビ達は非常に魅力的でクレイジーな種ばかりで熱狂的なファンが多く存在ます.
また,私たちの生命に危険を及ぼす程の生体達ではありません.
また本記事では特定動物は除外し,この限りではありません.
(イエローアナコンダとグリーンアナコンダのハイブリッド種は特定動物となる旨が決定しておりますので除外しております.イエローアナコンダについても今回は除外致しました)
*先だってイエローアナコンダが特定動物という旨を記載し,混乱させてしまい申し訳ありませんでした.
【内容】
・飼育が可能も危険なヘビ
■グリーンパイソン
■モルカンパイソン
■シシバナヘビ
■ジャンセンラットスネーク
■イエローテールクリボー
■エメラルドツリーボア
■ボールパイソン??
・まとめ
目次
・飼育が可能も危険なヘビ
■グリーンパイソン
まずは爬虫類を飼育されている方なら誰でも,また飼育をされていない方でも一度は見たことがある?と思われる特徴的なとぐろを巻くグリーンパイソンです.
本種は最大でも2m程ですので大きさ自体はそこまででもありませんし,太さもありません.
樹上棲で鳥やその雛などを捕食しており,一度噛みついたら外れないように長く鋭い牙を持っています.毒性はありませんが、かまれないようにすることが必須です。
そして,神経質で攻撃的な個体も多く決してハンドリング(触る事)向きのヘビではありません.
*噛まれたことがありますが悶絶しました…
牛革の手袋などをつけると安全かもしれません。
ですが,その美しさから非常にファンも多く,ヘビ飼いの方の中でも非常に美しくにレイアウトして飼育している方もいらっしゃいます.
爬虫類は触れ合って楽しむペットではなく観て楽しむペットであることを体現してくれる最高の一匹かと思います.
また,その体色は非常に美しく,特に「アルー産」の物は、美しいライトグリーンとブルーのスポットが入り,まさに自然が創出した芸術としか表現のしようがないほどの美しさです.
■グリーンパイソンの飼育について
■モルカンパイソン
「金龍」
そういった名前を付けている飼育者も多いのではないでしょうか?
ライトイエローから黒化個体,さらにはアザンティックまで確認されている本種は飼育できるヘビの中でも屈指の美しさと危険を兼ね備えています.
最大全長:3m以上
かつ半樹上棲で牙も長く,性格が荒いものが多い…
大きく,荒く,樹上棲という個人的には危険の3大要素を見事に併せ持つ生体だと思っています.
以前はマルクパイソンと呼ばれる地域個体群?のものが¥30000-50000にて売買されていましたが,最近はマルクは全く見ず(名称の問題?),モルカンパイソンも年に数匹見るか見ないかの状態で,マニアは喉から手が出る程に欲しい人が続出中.
当然価格も高騰しており,現在は¥100000以上,なかには¥200000近くするものも.
個人的にも最もカッコいいパイソンの1種だと思っていますので,ぜひ生で見ていただきたいものです.
フルアダルトは顔の厳つさにビビってしまうかもしれません.
■モルカンパイソンの飼育について
■シシバナヘビ
参照:Wikipedia
非常に特徴的でキュート?な顔をした小型のマイマイヘビ科の後牙種と言われていたが,実際には唾液に捕食した獲物を痺れさせる毒を持っています.
毒ヘビと聞くと非常に怖いイメージが付いて回りますが,本種の毒は人間を死に至らしめる程ではありません.
飼育下でもエサと間違えて噛まれてしまうこともあるかもしれませんが,流水と石鹸で良く洗えば概ね大丈夫です.
ただ,注意したいのがアレルギー症状が出たり,それに伴ってか水泡や大きく腫れ上がるといった症状が海外だけでなく日本でも報告されています.
ただ多くの場合は長時間噛まれ続けることによるもので,短時間(例えば数秒から数十秒)であれば余程のアレルギー症状がなければ大丈夫でしょう.
そういったリスクを伴うヘビではありますので,飼育には知識と注意が必要かと思われます.
ですが,飼育自体は比較的容易で,大きなものでも1m程度で平均では60-80cm程度の大きさですので比較的ポピュラーな種にはなりつつあります.
生体のそれぞれの特徴をよく知った上での飼育が大切!
ということを体現してくれる生体かと思います.
■ジャンセンラットスネーク
多くの方は聞いたことすらないヘビかと思いますが,「ヤンセンナメラ」とも呼ばれたり,海外では「Celebes Black Tail」と呼称されることも.(旧セレベス島周辺の島に棲息することから)
インドネシアのスラウェシ島などに生息し大きいものでは2m以上に成長します.
本種の多くはWC個体での流通が多いのですが,最近では積極的にCB化を進める欧米のブリーダーさんもいらっしゃるみたいですね.
何といっても本種は非常に「荒い」ですし,なにより「怖い」です.
飼育者の多いボールパイソンやカーペットパイソンなどのニシキヘビは頸部をS字にして威嚇しますが,本種は体全体で波打つようなS字を呈し,更には頸部を縦に膨らませてきます.
そして口を開けて噛みつくアピールも決して忘れません.
正直怖いです(笑)
パイソンよりも動きが素早く非常に取り扱いにも苦慮します.
絶対に初心者が飼育するヘビではないと自信を持って言えます…(←苦い経験あり…)
大蛇が威嚇する様も怖いですが,本種も大蛇とはまた違った恐怖感があります.
ですが,マニアには垂涎のヘビでその美しさからも,好きな方は好んでこの種のヘビを飼育されていますね.
美しさと危険度は比例する代表的な種かと思います.
■イエローテールクリボー
これまたマニア垂涎のDrymarchon属で最大種,イエローテールクリボーです.
以前から本邦への入荷は非常に稀で,国内でも殖やされている方はいらっしゃるようですが,流通自体ほとんどない…というかマニアなヘビで皆さん知らない.
本種はコロンビアやベネズエラ,ペルーなどに生息する大型のナミヘビで平均でも楽に2mは超えてきます.
何といっても性格はDrymarchon属で最も荒く,攻撃的です.
もちろんこれは,WC個体の入荷が多かったといった点からなのですが,現在時折みるCB個体については比較的大人しいものもチラホラと見かけますので,今後この認識は変わってくるかもしれません.
ただ,本種の荒い個体は本当に手に負えません(笑)
とにかく素早い!!
動きも攻撃も,急に臨戦態勢に入ったりもしますし…
そして本種は顎の力が他のパイソンやナミヘビよりも強く,ラットの頭蓋を砕くほどとも言われます.
正直噛まれると痛いです…
私は現在Drymarchon属はIndigo snakeを飼育していますが本種はまだ大人しい印象ですが,それでも急に臨戦態勢に入ったりするので怖いです.
ですが,このイエローテールクリボーはコブラのような佇まいから,非常にカッコよく,恐らく全ヘビの中でも上位に食い込んでくるカッコよさではないかと思います.
■イエローテールクリボーの飼育について
■エメラルドツリーボア
個人的に飼育可能で最も「怖い」と感じるものはこのエメラルドツリーボアかと思います.
何といってもこの牙ですよね…
アナコンダフェイズ
— Pythonidae (@habaero946) August 18, 2021
牙カッコイイwww
噛まれたらアウトwww#マクロットパイソン#グリーンパイソン#エメラルドツリーボア#ズグロパイソン#パラグアイレインボーボア#diamondpython #Inlandcarpetpython#Ballpython#Whitelippedpython pic.twitter.com/gga8EjQws7
絶対に噛まれたくない…
グリーンパイソンを更に強化したタイプのような樹上棲のボアです.
容姿は似ていますが本種は「ボア科」,グリーンパイソンは「ニシキヘビ科」に分類されています.
■ボア・パイソンの違いについて
本種はなんといってもその大きな頭部とグリーンパイソン同様に独特なとぐろの巻き方により一度見ると忘れられない程のインパクトがあります.
性格は個体差がありますが,多くの生体で少々神経質で攻撃的なものも.
積極的に噛んでくるというわけではないにしろ,本種は時折ノーモーションで飛んでくるものもいますのでメンテナンスの際も油断は禁物.
その長い牙は噛みつかれる場所が悪ければ神経障害や骨にまで達することも…
ですがやはり本種はその狂暴で厳つい姿もあってか,非常に人気種でもあります.
また,国内繁殖例もありますのでCB個体も多く出回り始めています.
少々高価ではありますが「危険であるが故に」非常にコアなファンが多いのかもしれません.
■ボールパイソン??
なんでボールパイソンが??と思われた方が多くいらっしゃるかと思いますが,ボールパイソンは危険です.
非常に危険.
なぜなら本種は
「可愛い」
「程よい大きさ」
「美しい」
「モルフの多さ」
飼育者を虜にしてしまう要素満載.
最初は1匹…そして2匹…気が付けば10匹以上.
そんな方をたくさん見てきました.
今なお様々なモルフが海外・日本でも検証され,産まれています.
毎年驚きがいっぱいです.
私は現在,ボールパイソンの飼育は離れていますが,その魅力は年々増しています…
多くの飼育者を沼に引きずり込んできたボールパイソン.
…危険です.
■ボールパイソンの飼育について
■ボールパイソンの拒食について
・まとめ
いかがでしたでしょうか.
【飼育は可能だが危険なヘビ~7選~】
全ての種に共通していることは
「ファンが多い」
ヘビに癒しを求める方もいらっしゃると思いますが,その癒しとは可愛らしいしぐさでも寝顔でもなく(←ヘビの寝顔は本当にわからない)
「危険な魅力」
なのかもしれません.
もちろん,飼育者だけでなく第三者に危険を及ぼすようなことがあってはならないので日々の管理だけは厳重に行う必要がありますし,特定動物は生命に及ぼす危険もありますのでこの限りではないかと思います.
皆さんも「危険な魅力」を持つ,ヘビ飼いの世界へ来てみませんか?
**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう