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【ヒルヤモリの飼育】樹上棲ヤモリの飼い方について

トカゲ 飼育・飼育環境
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【51Base】です.







【ヒルヤモリの飼育・飼育環境】






皆さんはヤモリと言えばどういった生き物を想像しますか?

こういったヤモリ?

参照:Wikipedia

 

それともこちら?


こういったものもおりますよ.


上記に挙げたヤモリは主に夜行性で,日本に在住されているほとんどの方はヤモリは夜行性の生き物だと思われているでしょう.

 

ですが実はヤモリには昼行性のものがおり,バスキングをするものもいます.

 

今回はそんな中でも比較的ポピュラー?かつ可愛らしいヒルヤモリについて焦点を当てていこうと思います.




 【内容】

  1.ヒルヤモリとは  

   ■分類・種類

   ■生息域

   ■大きさ

  2.飼育環境

   ■飼育ケージ

   ■温度・湿度

   ■紫外線

   ■多頭飼育

  3.エサ(餌)

   ■昆虫食

   ■果実

   ■人工飼料

  4.ハンドリング

  5.まとめ

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1.ヒルヤモリとは

 ■分類・種類



爬虫網有鱗目トカゲ亜目ヤモリ科ヒルヤモリ属

 


現在確認されているだけでも80種類ほどに分類されているようですが,多くの種が生息しているマダガスカルは基本的に輸出を禁止している為,CB化されているわずかな種のみ流通しています.

 

恐らく市場で目にする機会が多いものとしては

 

・オオヒルヤモリ
(マダガスカルヒルヤモリ・グランディスヒルヤモリ)

・ヨツメヒルヤモリ

・ヒロオヒルヤモリ

 

などでしょうか?以外に多くの種が流通しているので,好みの生体や種を選ぶ楽しみもあるかと思います.

最大種でも30cm程度ですので,頭胴長では20cmも満たない大きさです.

 

また個人的に多くの方が飼育していると思われるヨツメヒルヤモリなどは10cm程度と非常に小型ですので,テラリウムなど飼育環境にも非常に力を入れられている飼育者が多い印象です.

 

 ■生息域



ヒルヤモリの多くがマダガスカル島を中心とした東アフリカに生息しています.

 

多くの種でmadagascariensisと呼名されますが,構成種の多くがマダガスカルに生息しているためのようです.

 

 ■大きさ



・10cm~35cm程度.



概ね20cm以下で頭胴長も10cm程度のものがほとんどです.

 

小さい為,飼育スペースはとりませんが温度勾配がとりにくくなりますので注意が必要です.

 

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2.飼育環境

 ■飼育ケージ



概ね45cmケージがあれば飼育は可能で,ヨツメヒルヤモリなどはグラステラリウムのナノサイズでも飼育が可能です.

 

本種は縄張り意識が非常に強い生体で基本的には単独飼育,多頭飼育は必ず広いケージで行う様にしましょう.

 

ですがオス同士だと60cmケージでも出会えば追いかけ回す様な行動を示しますので,どうしても多頭飼育をされる場合はペアで45cmケージ以上で行うことを推奨します.



ですがペアであったとしてもやはり相性の問題もありますので,もし片方が追いかけ回して攻撃する,けがをしてしまったといった場合はすぐに単独飼育に切り替えれるようにしてください.

 

また,本種は樹上性のヤモリですので高さのあるケージが好ましく流木や観葉植物などでレイアウトしてやるとその美しさがより際立つと思います.

 

テラリウムを作製して飼育する場合は45×60cmケージなどは特におすすめかと思います.

 

個人的には小型で昼行性の生体は,可能な限り広いケージが必要と考えます.

バスキングスポットや紫外線などどうしてもケージ内の温度が上昇しやすく,オーバーヒートを起こしてしまうからです.

 

 ■温度・湿度



基本的に多く流通しているマダガスカル原産の種を中心に記載していきます.

マダガスカルは島の西部は乾燥した地域で,東部は湿潤な地域です.縦長な島ですが,南北よりも東西で気候が少し変わってくるようです.
(国土は日本の1.6倍)

 

本種は熱帯雨林を中心とした生息圏で,基本的には高温多湿の環境で構いません.

ですが注意したいところは,例えばトカゲなどの様に発達した鱗があるわけではなく,皮膚は非常にデリケートです.
(そもそも天敵に襲われた際は自身の皮膚を脱いで逃げるくらいですので)

 

そのため,バスキングスポットなども高温になりすぎないように注意し,ケージ内の空気が淀まないよう通気性には気を使われた方が良いかと思います.

 

高地を除いては最高気温が30℃前後乾季の最低気温は15℃程度まで低下します.

 

生息地が熱帯雨林であり,特徴として温度が籠りやすく最低気温も思っているほど下がらないことが言えますので,20℃程度は最低でもキープすることをおすすめ致します.

 

また,小さなケージを使用する場合はバスキングスポットの温度が高くなりすぎるとケージ内がオーバーヒートしますので,可能な限りW数の小さなもの,もしくはランプタイプの紫外線灯の熱を利用してもよいかもしれません.


*以外に紫外線ランプも良く熱を発しますので小さいケージではこれでもある程度はホットスポットとしての役目を果たしてくれると思います.

 

本種を飼育する際は冬期の乾燥と夏期の高温によるオーバーヒートには十分注意が必要です.

 

特に初夏など日中の気温は30℃まで迫りますが,夜間が10℃台まで下がる時期は日中に飼育ケージの気温が上がりすぎることもあります.



 ■爬虫類の暑さ対策

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 ■紫外線



ヤモリの飼育はヒョウモントカゲモドキやガーゴイルゲッコーなどの飼育を思い浮かべられる方が多いと思いますので紫外線についてはあまり意識されたことがないかもしれません.

 

本種は昼行性のヤモリでバスキングすることが分かっております.

 

そして思った以上に紫外線の要求量は多いようで,紫外線不足による低カルシウム血症は容易に発症するともいわれています.

 

ですが例えばトゲオアガマやイグアナなどに使用するような強力なものを使用する必要はあないと考えますし,紫外線を使用せずに飼育している方も中にはいらしゃるようです.

使用している紫外線灯としては,ランプタイプの紫外線灯を飼育されている方がほとんどですし,それ以上のものは必要かどうかについては議論がわかれるところかと思います.

 

個人的にはビタミンD3のサプリメントを添加する,もしくは人工飼料での餌付けが可能であるため,飼育下において紫外線自体はそこまで必要ないのかもしれません.


ただしホットスポットは必ず用意しましょう.

 

 ■爬虫類の紫外線について

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 ■多頭飼育



本種は小型の爬虫類であるが故に,多頭飼育を希望される方が多い印象です.
(小さい・安価な生体は多頭飼育をされる飼育者が多い…印象です)

 

ですが,小さくとも本種は非常に縄張り意識の強い種です.

特にオスはメスであっても攻撃を仕掛けることがよくありますので,可能であれば単独飼育をメインとし,例えば繁殖の時期だけ同居させるといった方法でも良いかと思います.

 

どうしても多頭飼育がしたい場合は,どの種にも共通して言えることですが

 

・広いケージ

・餌の供給

・生体通しの相性

 

など必ず入念にチェックしてからの方が事故がなくてよいかと思います.

 

レオパにおいてもそうですが,やはり相性によってはPrであったとしても追いかけ回すことはあります.



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本種は幸いにも小型ですので,ナノサイズのグラステラリウムでも飼育は可能です.

出来る限り単独飼育にて生体通しの事故が起きないようにしましょう.

 

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3.エサ

 ■昆虫食



野生下での主食は無脊椎動物,いわゆる昆虫類で飼育下ではコオロギやデュビア,ワーム類などを与えます.

ただ,本種は比較的小型の爬虫類であるためエサのサイズには注意が必要です.

 

基本的には頃木のSサイズより開始し,徐々にサイズを上げていければと思います.

また,本種に限らず飼育下ではカルシウム・ビタミンD3不足が懸念されますので,必ずサプリメントにてダスティングを行って与えるようにしてください.

 

また,ワーム類にはリンが多く含まれており,カルシウムの吸収を阻害すると言われていますが,個人的に専門的な知見があるわけではありませんので,絶対にダメだとは言い切れません.

 

 ■果実



本種はフルーツもよく食べてくれます.

カルシウム・リンの比率が良いと言われているベリー類イチジクなどが好ましいとされていますが,バナナなどは主食ではなくおやつ程度が良いかと思われます.

 

こちらのサイトにCa:P比率について記載されており,非常にわかりやすいかと思います.

 

Database Error

 

本種はバナナを特に好んで食べる印象がありますが,Ca:P比率は決して良いわけではなさそうですので,ペースト状にして混ぜて与えればよりバランスの良い給餌内容になるのではないかと思います.

 

私は一人の爬虫類飼育者ですが,研究者というわけではありませんので,毎日の給餌に科学的根拠をもって与えているというわけではありません.

この辺りは経験も非常に重要な要素なのかもしれません.

 

 ■人工飼料



本種専用の人工飼料はないのですが,似たような種でクレスゾルというものもありますし,中には昆虫ゼリーなども好んで食べるものもいます.

クレスゾルは果実を好むヤモリ類に向けた人工飼料ですのでクレステッドゲッコーやヒルヤモリの飼育者には重宝されています.


バナナをペースト状にし,そこへクレスゾルや昆虫ゼリーなどを混ぜ合わせて与えている飼育者もいらっしゃるようです.

また,海外ブリーダーがよく使用しているNEKTONと呼ばれる人工飼料は非常に餌付きやすい印象で個人的には重宝した記憶があります.


 

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4.ハンドリング



本種は小型のヤモリで動きも俊敏です.さらに天敵に襲われた際,掴まれた皮膚を脱いで逃げるといった離れ業も持っていますので,あまりおすすめはできません.

 

基本的には見て楽しむ爬虫類かと個人的には考えています.

 

また,万が一手から飛び出して室内に逃げてしまえば見つけるのに非常に苦労する場合があります.

例えば非常にシンプルなレイアウトの室内であればそう苦労はしないかもしれませんが,複雑なレイアウト,または散らかっている部屋では本当に見つけるのに苦労することがあります.

 

恥ずかしながら私も以前飼育していたヒルヤモリが室内に飛び出してしまったことがあったのですが,なかなか見つけるのに苦労しました.

結果的にはツーバイ材のラックの裏側に隠れていましたが…

 

ヤモリでハンドリングが容易な種では

 

・レオパードゲッコー

・ガーゴイルゲッコー

・クレステッドゲッコー

 

などでしょうか.例えば最大種のツギオミカドヤモリは割と荒いものもいますので注意が必要です.

 

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5.まとめ



いかがでしたでしょうか.

 

【ヒルヤモリの飼育・飼育環境】

 

昼行性で非常に美しい小型のヤモリ.コンパクトなケージでも飼育が可能でテラリウムなどその飼育スタイルは様々です.

 

また人工飼料にも餌付きやすく管理も比較的容易な種かと思います.

 

ですが,本種は小型ゆえにハンドリングには不向きですので,ヤモリと触れ合いたい目的での飼育は別種をおすすめ致します.

 

ですがそれを差し引いても美しい体色と可愛らしい目,エサをぺろぺろ食べる?舐める?仕草は多くの爬虫類ファンをこれからも魅了してくれるものと思っています.



 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


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