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【チモールパイソン】希少なヘビの飼い方とその生態について

ヘビ 飼育・飼育環境
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【51Base】です.








【チモールパイソンの飼育・飼育環境】






ここ数年めっきり入荷が減った…というよりマニアすぎて知名度が非常に低いレアパイソン,チモールパイソンについてです.


モルカンパイソン”ゴールドスクラブ”みたいな美しさ

ハルマヘラパイソンの様なゴツゴツの凶悪顔

マクロットパイソンの様にモダンなモザイク柄

3種の良いところを抽出したような生体で,非常に美しくダークな色目かしさを醸し出している魅力的なパイソンです.

もともと多くの流通はなく,そのほとんどがWC個体で,海外でも積極的に繁殖している方は少ないようです.

海外雑誌でチモールの繁殖について特集されがものが過去にあったようですが…

性格は非常に臆病で神経質なものが多く,よく言われるのが



「持てば尿酸と尿を巻き散らかす」



もちろん個体差はありますが,WC個体が多く出回っていることも踏まえればそういった見解が多いこともまた頷けます.

今回はそんな少しマニアな中型パイソン,チモールパイソンについてまとめていきます.




 【内容】

  1.チモールパイソンとは?  

   ■分類

   ■生息域

   ■価格・大きさ

  2.飼育環境

   ■飼育ケージ

   ■温度・湿度

   ■シェルター

   ■登り木

  3.エサ

   ■幼体時

   ■成体時

  4.ハンドリング・慣れる?

  5.まとめ

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1.チモールパイソンとは

 ■分類



参照:Wikipedia

 

爬虫網有鱗目ニシキヘビ科Malayopython属

学名:Malayopython timoriensis

英名:Timor python

和名:チモールニシキヘビ


分類についてはLiasis属やpython属と様々な議論が分かれていたようですが,2014年にMalayopython属として分類されるようになりました.

レティックと同属種とされていますが,チモールパイソンには亜種は存在しないと言われています.

Malayopyton属はpython属ではなく,インドオーストラリアニシキヘビの姉妹系統として認識されています.


 ■生息域



小スンダ列島(固有種):フローレス島,チモール島など

参照:Wikipedia

西から

バリ島→ロンボク島→スンバワ島→コモド島→フローレス島→アドナラ島→アロール島→スンバ島→チモール島

フローレスもチモールも比較的大きな島ですので,個体差もあると言われていますが,実際に拝見したことはないので何とも言えません.

ダーク系のモノトーンな模様をしたものから,ハイカラーなものまで居ますので,そのあたりも地域個体群に含まれるのかは不明です.



 ■大きさ・価格



平均全長:2m前後

最大全長:2.5m


中型のパイソンで概ね飼育下では2m程度で成長は止まる傾向があります.

2m前後の生体ですので,飼育ケージも120cm程度あれば十分終生飼育は可能ですので,比較的飼育環境も用意しやすいかもしれません.

また,2mというと非常に大きいイメージかもしれませんが,実際には成人男性の前腕ほどの太さ程度ですし,片手で持つことも十分可能です.

価格については入荷そのものが少なくなんとも言えませんが,ここ数年は時折ベビーもしくは飼い込み個体が出回る程度でしょうか.

生体 価格
CBベビー ¥80000~¥100000
飼い込みアダルト ¥60000~¥120000
WC個体 ¥50000~¥80000


概ね上記の様な価格帯ですが,WC個体など以前は¥39800程度でしたので確実に価格は上がっているといった印象です.

CBベビーはまだそこまで出回っている印象はありませんが,本当に時折見る程度ですね.



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2.飼育環境

 ■飼育ケージ



見解は様々ですが,個人的には半樹上棲のパイソンといった認識です.

カーペットパイソンと同様に考えられても良いかとは思っています.



 ■カーペットパイソンの飼育について

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【カーペットパイソンの飼育・飼育方法】カーペットパイソンは豊かな色彩と模様が特徴的で、長い体を持つため、複数の色合いがある被毛に覆われています。これらの模様は、森林地帯や草原など、生息地に合わせたカモフラージュ効果をもつと考えられています。




ベビーから飼育する際はプラケースやレプタイルボックスなど,簡易的なもので十分で,むしろシンプルなレイアウトにシェルターを用意してしばらくは環境に慣らしてあげるくらいの方が安心です.


ある程度の大きさになれば,グラステラリウムなどを使用することが多いとは思いますが,思い切って高さを重視したケージ構成にしても面白いかもしれませんね.

樹上棲のレイアウトは純粋にカッコいいのでおすすめです.


ただし,高さのあるケージは冬期の保温と湿度維持が非常に大変なこともありますので少し注意は必要です.



 ■爬虫類の湿度管理について

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 ■爬虫類の電気代について

【爬虫類の電気代について】~冬の暖房は暖突?温室?エアコン?~
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個人的にはオールガラスのケージが非常に見た目もスタイリッシュで美しくより一層生体を引き立たせてくれるかと思います.


最終的には2m前後まで成長しますので,市販の90cmケージでは限界がありますので120cmクラスのケージが必要となってきますが,選択肢は非常に少ないところが厄介.

90cmケージですとグラステラリウムの9060であれば余裕を持った飼育も何とか可能ではないかと思います.



 ■温度・湿度



本種は小スンダ列島に生息しており,本列島は赤道直下の熱帯性気候に位置しています.

参照:地球の歩き方


基本的には雨季と乾季とに分かれていますが,平均して最高気温は30℃台を推移し,乾季は雨量が減り湿度が低下する傾向にあります.

南半球に位置していますので季節は日本とは逆です.

小スンダ列島は東西に並んだ島々ですので大きく気温や湿度に変化はありません.


 □温・湿度

スポット 温・湿度
ホットスポット 32-35℃
ケージ内温度 30₋31℃
ケージ内最低温度 28℃
夜間温度 26℃前後
湿度 70₋80%

年間通じてホットスポットはしっかりと保温して,夜間も最低でも25℃は下回らないように注意してください.


湿度については70%以上はキープし,特に冬期は簡単に60%を切ってきますので湿度管理は比較的厳密に行いましょう.



 ■爬虫類の湿度管理について

【爬虫類の冬対策!】温度管理・おすすめの保温・加湿器具について
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 ■シェルター



基本的に完全樹上棲のヘビ以外は可能な限りシェルターは用意するようにはしています.

安心・安全と思える,暗く・狭い空間は必須だと思っています.

本種は樹上棲の傾向も強いとは思いますが,地上でとぐろを巻いている所も良く見ますし,水容器内にもよく浸かります.

ですので,シェルターと全身が浸かれる水容器を用意すればいずれかに入っていることが多いと思います.

コンパネボックスなどにコンパスカッターで出入口を作ってやるだけの簡易的な水容器兼シェルターも自作は簡単ですので,おすすめです.


百均にも同様の商品が販売されていますが,小さなタッパー程度しか切り抜きが難しいので,ある程度強度のあるものが良いかと思います.



 ■登り木



ここまで半樹上棲だの書いておいて,必要ありませんというのもどうかとは思いますが,絶対に必要というわけではありません.

こと本種に関しては登り木よりも全身が浸かれる水容器の方が重要なのではないか??と思えるほどよく水容器に浸かる生体を目にします.

また,よく聞くこととしては


「登り木を入れると生体が荒くなる」


都市伝説の様な話ですが,どちらかと言えば臨戦態勢がわかりにくかったりもしますので,決して荒くなるというわけではないかとは愚考しています.



 ■ヘビは登り木を入れると荒くなるのか?

【ヘビ・パイソンは登り木を入れると荒くなるのか?】
...




ですが,いつも同じことを言っているようですが


「樹上のヘビはカッコいい」


これに勝るものはないかと思います.

https://twitter.com/55Syusuke/status/1176703689551007744

少し取り出しにくくなったりすることもありますが,ある程度慣れればそうでもないので,ぜひ流木などの登り木を入れて,活動量を上げるとともに,カッコいい生体の姿を拝まれてください.



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3.エサ

 ■幼体時



基本的にはサイズに応じたげっ歯類で問題ありません.

頭部が大きいので思っている以上に大きなエサを呑むことができます.

私は本種のベビーは飼育経験がありませんが,あの頭部の大きさでしたらホッパーからスタートしても良いかもしれませんね.


初めての飼育が本種,といった方は非常に少数かと思いますが,小さいエサを何匹も食べてくれるような種でしたら良いのですが,思った以上に神経質な本種は1匹置き餌で何とか…といったこともありますので出来る限り大きなエサを与えておきたいところではあります.

ホッパーが軽々呑めるようになればアダルトマウスへ移行するわけですが,ある程度アダルトLくらいが呑めれば,リタイアに移行せずに一気にラットSSサイズを与えて早めにラットへの餌付けを行っても良い場合もあります.

 

また,意外になかなか餌付けが難しかったり,購入後になかなかエサを食べなかったりする生体も少なからずいます.

あくまでボールパイソンについてですが,本種にも通じるところはありますので是非参考にしてみてください.



 ■ボールパイソンがエサを食べない時

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 ■成体時



成体時も幼体時と同様にサイズに応じたげっ歯類で問題ありませんが,思っている以上に本種は細身ですので他のカーペットパイソンやセントラルパイソンの様にそこまで大きなエサは必要ありません.

最終的にもアダルトラットLサイズ以上で十分終生飼育は可能です.

また,本種は樹上棲の傾向はありますが,例えばカーペットパイソンやグリーンパイソンの様にヒヨコや親ウズラを与えるとげっ歯類に興味を示さなくなるといった類の話は聞きませんので,時折余ったヒヨコなどを与えるのはありかと思っています.


ただし,ヒヨコは思っている以上にカルシウムの含有が少ないので注意は必要です.

与える頻度などはカーペットパイソンなどと同様で良いかと愚考します.



 ■カーペットパイソンの飼育について

【カーペットパイソンの飼育(飼い方) “まとめ” 】飼いやすいニシキヘビ?モレリア属の飼育・モルフとその魅力とは?
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4.慣れる?ハンドリング



正直なところ,以前まででしたら慣れにくくハンドリングには不向きであるといった認識でした.

ですが最近は少数ではありますが,CB個体も出回っていますので,そういった生体は思っている以上に温和で良く慣れます.

今まではWC個体が流通の中心でしたが,今年のCITES会議でもCITESⅠ・Ⅱに昇格した種が多かったように今後は野生採集個体はどんどん減っていく傾向にあると思いますし,そうであってほしいと願っています.

爬虫類の飼育というのはどんなにきれいごとを並べても自然からの略奪に他ならないので,それでしたらせめて野生の個体の減少につながらない飼育をしたいと世界中の飼育者の方々は考えるはずで,WCよりもCB個体の流通が今後の主流になることは間違いないと確信しています.

ですが,そこはやはりCB化も進んでいない本種ですので,まだまだ神経質なものも多いかと思いますのであくまで観賞用と割り切って飼育されてみるのも一つの手かと思っています.

Instagram

恐らく飼育生体が本種のみといった方はほとんどいないと思いますので,本種は違った楽しみ方をされるのもまた一興かもしれません.



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5.まとめ



いかがでしたでしょうか.


【チモールパイソンの飼育・飼育環境】


どちらかと言えば非常にレアで流通は稀ですが,非常に魅力的な中型のニシキヘビですので飼育経験の少ない方でもCB個体であれば十分飼育は可能ではないかとは思っています.

個人的には一昔前の神経質なWC個体の印象が強いのですが,今後もCB化が進んでくれば飼育しやすい種として挙げられるのではないでしょうか?



 

**生き物を飼育することの是非はここでは問いません.また,本記事は飼育を促進するためものではありません.
生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう


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