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長州クリプターです.


今回は爬虫類飼育者にとっても少しマニアックな内容.



「オリーブパイソンの繁殖」




日本での繁殖はあまり盛んには行われていません.というよりほとんど聞いたことがありません.



日本ではまだまだ入荷も少なく高価なヘビですのでマイナーな種であることは確かですが,爬虫類大国のアメリカではわりと人気種でもありコンスタントにCB化がされているようです.







    【目次】

    1.オリーブパイソンとは
      ■分類
      ■生息

    2.飼育ケージ

    3.温度管理

    4.日照時間

    5.ペアリング

    6.インキュベーション

    7.まとめ







1.オリーブパイソンとは

■分類

爬虫網有隣目ニシキヘビ科リアシス属


学名:Liasis Olivaceous
英名:Olive python
和名:オリーブパイソン オリーブニシキヘビ


このリアシス(Liasis)という属はいわゆるオセアニアニシキヘビ属で,主としてオーストラリアに生息するニシキヘビを言います.
(あくまで主として)


オリーブパイソンはオーストラリアでは2番目に大きなヘビでもあります.
(1番はScrub Python=特定指定)


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■生息

オーストラリアの北西部の森林地帯や川辺に生息しています.
主にはクイーンズアイランド・ノーザンテリトリーで基亜種が生息しています.


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そのうち西オーストラリア州に生息している種はピルバラオリーブパイソン(Liasis Olivaceous Barroni)と呼ばれ別亜種とされています.


オーストラリアはその大陸形態から固有種が数多く生息し,世界的にも珍しい有袋類の楽園でもあります.

そのため生き物の輸出は厳しく取り締まりがされており,日本へ入荷する個体はほとんどがアメリカやドイツなどで繁殖された個体です.






2.飼育ケージ

平均全長:2.5~3メートル

最大全長:4メートル以上

であることから,既製品のケージでは限界があると思います.

時折国内で見られる生体はベビーもしくはアダルト個体です.もし本種を飼育したことがない,もしくはニシキヘビ飼育の経験があまりない方は,迷わずベビーを購入されることをおすすめします.

本種も生後1~2年程度は既製品の飼育ケージにて飼育は十分可能です.




かなり成長が早いためベビーの時から90㎝ケージで飼育してもいいかもしれませんが,スペースの問題もあると思いますので,45㎝~60㎝ケージからスタートしても大丈夫です.






*ニシキヘビの飼育に最も大切なことは脱走させないことです.脱走されたヘビを見つけることはほぼ100%不可能です.


最終的には150㎝✕90㎝✕60㎝くらいのケージは必要そうですが,アメリカの繁殖を行っているブリーダーで200㎝✕100㎝✕100㎝のケージで飼育している例もありますので,広いに越したことはないでしょうが,現実的には少し難しいかもしれません.


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3.温度管理


オーストラリアのノーザンテリトリーは雨季と乾季の気温差がかなり明確です.


・平均気温

ダーウィン:25℃~32℃


雨季(11月~4月)
 最高気温:32℃前後
 最低気温:25℃前後

乾季(5月~10月)
 最高気温:32℃前後
 最低気温:20℃前後
  *冬に当たる6.7.8月は20℃を下回る


年中通じて昼間の室温は30℃です.ホットスポットは35℃前後でも構いません.基本的にオーストラリアは昼間は年中暑いと思っていいと思います.


重要なことは湿度と夜間の温度です.


・湿度

雨季:80%前後
乾季:60%前後


乾季は湿度が下がり私たちとっては非常に過ごしやすい季節になります.また夜間は20℃を下回ることもあり,肌寒く感じることもあるかと思います.

この雨季と乾季の夜間の寒暖差と湿度管理がBreedingを行う上で非常に重要です.




4.日照時間


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ダーウィン

雨季:日の出  AM6:00
   日の入り PM7:00


乾季:日の出  AM7:00
   日の入り PM6:30


日照時間はそこまで大きな変化はありません.ですが,日中の温度の変化は大きいため,ケージ内の暖房時間は変化させる方がいいです.


具体的には


雨季:14時間程度

乾季:8-9時間程度



の時間帯を室温30℃キープとし,それ以外の時間では雨季は25~27℃前後,乾季は20℃前後まで下げて良いです.ただ,急激に下げると体調不良を起こすリスクもありますので,最低気温は数時間程度とし,昼間はしっかりと気温を上げるようにしましょう.







5.ペアリング


性成熟については明確にはされていませんが,約3~5歳とされます.ただし,3歳ほどで繁殖する個体は少なくとも200㎝~250㎝の大きさは必要です.
(小さいと繁殖行動を起こさないだけでなく卵詰まりで命の危険性がある)


殖行動が始まる時期は乾季の5月頃です.最も気温の下がる7.8頃まで繁殖行動は続くといわれていますが,5.6月が最も成功率の高い時期です.


基本的にペアリングする際はオスをメスのケージに入れることが望ましいとされています.これは,繁殖期の発情したオスは攻撃的となり,テリトリーに侵入してきたものに対し攻撃を仕掛けることがあるからです.


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ペアの相性が良いと数日もしくは当日に交尾に至ります.交尾の多くは夜間に観察されるようです.ケージに長期間同居させても良いことはないので,1週間しても交尾の兆候が見られなければ一度別のケージに移した方が賢明です.


ペアリングに成功したペアは,次の年も同様に成功する可能性が非常に高い様ですので,本種のようにモルフを生み出す必要がない成体はペアは毎年同じでも構わないでしょう.


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6.インキュベーション


妊娠期間は2~3カ月ほどで,12~20個ほどの卵を産みます.通常妊娠中からクラッチまでは拒食するため,繁殖前はしっかりとエサを与えておく必要があります.


妊娠中は攻撃的であまり活動しませんが,産卵が近くなると産卵床を求めて少し活発になるようです.


また産卵は夜間でなく日中に行われることが多いとされます.これは消費エネルギーが大きい産卵を行うため日中の温かい気温を必要としているのかと考えられます.


また,産卵後はボールパイソンなどと同様のインキュベーションで良いです.30℃ほどで管理し,湿度は80%,床材はバーミキュライトで構わないでしょう.


通常産卵からクラッチまでは2-3カ月程度で起こります.







7.まとめ


いかがでしたでしょうか.


オリーブパイソンの繁殖についてはあまり例がなく,情報が少ないですがボールパイソンと同様にクーリングが繁殖のカギを握っていそうですね.


私もオリーブパイソンはペアで飼育していますが,繁殖は当然狙っていますので,いつか成功した際には自分の経験も踏まえて再度記事にしたいと思います.




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*生き物を飼育することは命を預かることです.その生体を最後まで責任を持って飼育することが飼育者の義務です.飼えなくなったという理由で逃がしたりすることは絶対にやめましょう